会長の”三行日記”
2011.09.22
風評被害 No.2078
いや-、昨日の台風は凄かったですね。浜松に上陸した後、我が地域も直撃しながら抜けていった関係で、雨というよりも風が物凄い勢いでした。
お陰で建物に取り付けられている看板がむしり取られるような被害はありましたが、比較的、軽微なもので済みました。でもちょうど夕方の業務中で社内におりましたので、風速30mを超えるような台風の怖さを実感したものです。
先日の台風で被害に遭った和歌山の地域などはどうだったでしょうか。土砂がせき止め作られたダムの決壊が心配されたところです。また都心でも交通機関がストップし、多くの人の帰宅の足を奪っていました。被害に遭われた方々に心よりお見舞い申し上げます。
さて腹立たしいことが1つありました。愛知県日進市の花火大会で、福島県製花火を打ち上げることができなかったことです。これは一部の住民より、福島県製の花火は放射能を撒き散らす恐れがあるから、打ち上げないでくれといった苦情が寄せられ、市がそのまま認めてしまったのです。
当事者である日進市は、事後この問題に対する抗議が殺到している関係で、昨日になって慌てて謝罪会見を開き、今日22日に福島の花火業者へお詫びに訪れるとのことです。
全てやっていることが後手後手で、しまらない話です。風評被害の何者でもない話なのですが、まず当局である日進市が事前にしっかりとした対応を取っていたかということです。
福島の花火工場では品物は屋内に置かれていて、放射線も弱く全く問題になるようなことではなかったと聞きます。こうした情報も事前にしっかりと調査していれば、苦情が寄せられても毅然とした対応ができていたはずです。
それと何よりも残念で腹立たしいのは、こうした苦情を寄せてくる住民の感情です。先に福岡でも福島を助けようと開催された物産展が、住民の反対により中止になってしまいました。
こうした人々の感情がとても理解できません。逆の立場で、もし自分達が福島に住んでいたのなら、いったいどのような気持ちになるでしょうか。福島の人たちだって、すき好んでこうした事態になったわけではありません。というより、ある日突然降って湧いてきた悲劇による、大変な犠牲者なのです。
このことを少しでも理解していたのなら、とても冷たく突き放すような真似はできないのではないでしょうか。朝日新聞の天声人語にも書かれていました。ある人が寄せてきた歌に、桃買うを迷いてポップ確認す「福島」とあり迷わずに買う、との一首がありました。
手書き広告の産地名に店の心意気を感じ、思わず手に取る人がいるとの意味合いです。これが当たり前の人間としての感情で、思わぬ被災で大変なご苦労を強いられている方々への、せめてもの労わりと心情ではないでしょうか。