会長の”三行日記”
2011.08.23
甲子園大会を振り返って No.2059
長い間、出張工事・試運転等でお休みを頂いていました。ようやく今日は会社にも居ることができるほど、何とか順調な進み具合となっています。でも今まで手掛けたことのない、サ-ボ制御等を含んでいる為、まだまだ安心はできないものです。
さて夏の甲子園大会が終わった途端、雨が多い日が続いているようです。ちょっと時間を置いたため、色褪せてしまった甲子園の話題ですが、「がんばろう、日本」をスロ-ガンにした今大会だけに、最後まであきらめない、白熱した好ゲ-ムが多かったものです。
特に忘れられないのが、優勝候補の一角であった帝京高を下した、八幡商の試合です。8回まで2塁すら踏ませない完璧なピッチングを続けていた、帝京2年生投手・渡辺くんが、まさかの逆転満塁本塁打を八幡商・遠藤君に許し、敗れ去ったゲ-ムです。
この試合、帝京はエ-ス・伊藤投手を温存し、3回戦に備えました。この采配がズバリと当たり、この9回を除いては文句なしの投球でしたので、誰もが帝京の勝ちと踏んでいたのです。
でも野球には魔物が棲むと言われているとおり、勝ちをあせったのでしょうか。1死満塁から内野のエラ-で1点、そして右打者にライトポ-ル際に放たれた本塁打が決勝点となったのです。
一瞬の油断を突いた、八幡商の最後まで絶対あきらめない、粘りと執念によるものでした。これだから高校野球は人々に大きな感動を与えてくれるのでしょうか。まさにこれぞ、甲子園というドラマでした。
またこの帝京と同じく、やはり優勝候補と目されていた日大三高が、予想通り勝ち進み、深紅の大優勝旗を手にしました。戦った6戦、全ての試合に2桁安打の強打と、エ-ス吉永君を中心とした堅守で、文句なしの堂々たる勝利だったと思います。
まさに勝つべくして勝ったという、高校球児全てが目指すお手本のチ-ムになっていたのではないでしょうか。とにかくこの日大三高をはじめとして、今大会は好投手が多かったように思えます。そんな中で、秋田・能代商の保坂投手が特に印象的でした。
秋田勢としては14年ぶりの初戦突破のみならず、2回戦も勝ち3回戦まで進みました。惜しくも広島・如水館に延長の末、敗れましたが、豪腕投手でもない保坂君に高校野球のヒントを感じたものです。
スピ-ドは120km台、最速でも131kmです。昨年、鹿児島実業に0-15と大敗した後、その口惜しさをバネに猛練習の中、ボ-ルのキレを追い求めたそうです。
スピ-ドはそんなに変わらなくても、キレのある低めのストレ-トが両コ-ナ-に決まり、対戦した打者が手元で伸びてくるため、振り遅れていることもあったのです。
このように豪腕投手でなくても、コントロールや変化球の切れ、配球さえしっかりしていれば強打者でも抑えられるということを、彼が教えてくれました。一握りの投手を除く、ほとんどの投手に言えるだけに目指すべきお手本のように感じたものです。
大会後、準優勝チ-ムに不祥事が発覚し、折角の震災地に希望の灯を点す動きに少し水を差されましたが、高校野球はやはり私たちに大きな感動と教訓を与えてくれるものとして、再認識させてもらった今大会でした。