会長の”三行日記”
2011.08.03
地味力に率いられたツバメ No.2052
我が愛するヤクルトスワロ-ズが首位を快走しています。近年珍しいことで、初めはいつまで続くやらと高をくくっていたのですが、どうしてどうして、強さはホンモノのようです。
この好調の原因はやはり指揮官である、小川監督にあるのではないでしょうか。新聞にも「地味力が育てた」と、取り上げられていました。
確かに巨人の原監督や中日の落合監督などと比べれば、小川さんをよく知らない野球ファンは結構いるのではないかと思われます。ですから、どちらかと言うと、小川さんは地味であまり目立たない人です。
でも今年の甲子園でも千葉代表を決めた、あの名門・習志野高のエ-スとして、夏の大会、全国制覇を果たした方なのです。でも頂点はそれがピ-クで、その後、中央大学に進んでからは打者に転向して、社会人を経てドラフト4位でこのヤクルトに入団したのです。
プロに入ってからは、なかなかレギュラ-に定着するほどの活躍は見せなかったのですが、当時の関根監督によると「とにかく、小川を見習え」と言わせるほど、くそ真面目なくらい練習には取り組んでいたそうです。
ですから下積み選手への目の掛け方が違っています。今シ-ズン、4番打者として活躍している畠山選手などは、その経験のなかった外野手に転向させ、打撃を生かし、4番を打つほどにまで育て上げています。
これらは2軍監督を9年も務めた成果ではないでしょうか。また昨年、成績不振で途中休養になった高田監督の後を引き受け、19もあった借金を貯金4にまで引き上げたのも、やはりこの人の持っている何かではないでしょうか。
とにかく監督になってから選手の非難は絶対していません。先日の広島戦でも畠山選手の満塁ホ-ムランで逆転し勝ったと思いましたが、その後中継ぎで出て来た押本投手が崩れ、再逆転され負けた後、「私自身の継投を誤った完全なミス」と潔く言い放っていました。
また他の試合においても、2死満塁、一打サヨナラの味方の攻撃で、一塁ランナ-を代えました。そうしたところ、飛んだ打球が二遊間の深いゴロで、二塁手はボ-ルをやっと押さえ二塁ベ-スに投げましたが、走者の足が一瞬早く、セ-フでサヨナラ勝ちとなりました。
これなどは先見の明がある、なかなか渋い采配ではないでしょうか。1軍、2軍問わず、選手全員に目を配っているそうです。またどんな試合展開になっても、記者には丁寧に対応するとのことです。
これがまさに、苦労人だからこそのことです。「選手の力をどう引き出すか」、いつもこう考え続けている指揮官に率いられてのチ-ムは、やはり強いものです。野球以外にも相通ずるものがあるのでしょうね。