会長の”三行日記”

2011.04.19

取り残されている動物たち No.1994

一時帰休は許されるものの、半径20km圏内は完全撤退で避難を強いられている福島県の方々にとって、原発事故はとても許されるものではないでしょう。
 
そしてこの中で他の東関東大震災の被害地同様、津波など未曾有の天災を被った地域の方達には、この天災に加えて人災とも言える被害がダブルで襲ってきているのです。
 
こうしたある時を境に一変した生活には、さぞ困惑しているものと思われます。またそれに加え、様々な風評被害が付きまとっていると言われます。
 
川崎の市長が地震で発生したゴミなどの受け入れを表明した途端、住民から放射能を撒き散らかすのかと大反対にあったそうです。また避難先では福島から移ってきた子どもまで、放射能がうつるからとからかわれているとも聞きます。
 
いやはや、何とも悲しい話です。その人たちの立場になって少しでも考えてみたら、決して口にさえできない事柄なのです。人間として是非、最低限での思いやりを持ってもらいたいものです。
 
こんな中で、この圏内に取り残されている動物たちのことをテレビで取り上げていました。すぐに戻れるであろうと飛び出した人たちが、一向に収束されない情勢のため、戻るに戻れない関係で、置き去りにしてきた犬や牛などの動物のことです。
 
映像ではやせ細った犬や、久しぶりに会えた飼い主の元に、一生懸命走って戻ってきた犬の愛くるしい姿が映し出されていました。この置いていかれた動物たちには何の罪もありません。
 
また永年ペットとして一緒に生活していれば、家族と何も変わらないとも言えるのです。また牛たちの世話ができないということは、今後の死活問題にまでなるのです。
 
人によっては人間が生き延びるだけで精一杯で、とても動物どころではないと言われるかもしれません。でも今まで飼い続けてきた飼い主の責任というものがあるのです。それをしたくてもできない人たちの思いを考えると、胸が詰まります。
 
こうしたことからも、今回の原発事故の責任は本当に考えなければいけない、重いものです。私たちの県にも全く同じような環境にある浜岡原発があります。いつ起こるか判らない東海地震に対しても、原発に頼っている現状を今、大きく見直さなければいけない時が来ているのではないでしょうか。