会長の”三行日記”
2011.04.15
ちょっと良い話part75 No.1992
昨日は天皇・皇后両陛下が被災地をお見舞いに訪れました。テレビから伝えられていることしか見聞きできませんが、お二人ともいつも物腰が柔らかく、本当に被災者の気持ちになって接しているように感じます。
それぞれの人の話を聞くにしても、膝まづき同じ目線で対応されています。やはり人間的に優しいのですね。言いたくありませんが、いつも上から目線で話し掛けているように感ずる、時の首相とはえらい違いです。トップに立つ者、両陛下のようにいつもこうありたいものです。
「届いた泥まみれの葉書に涙」という、ちょっと良い話が新聞に投稿されていましたので紹介します。
大震災前日の3月10日、ついでがあって宮城県南三陸町の郵便ポストに、親戚や友人にあてた時候あいさつのはがき33枚を投函した。
だが、町は翌日の震災と津波で多数の死者と行方不明者を出してしまった。はがきの行方が気になり、ガソリンの手当てがついた3月29日に知人の安否確認をかねて町に行ってみた。
ポストがあった3階建ての県合同庁舎は頭から津波にのまれた痕跡があった。周囲のコンビニや民家は全くなくなっていた。これではあきらめるしかないと思って帰宅したら、東京の親戚から「泥まみれのはがきが着いたよ」と電話があった。
その後、山形、千葉、神奈川、埼玉や大阪からも届いたと連絡があった。はがきは透明な袋に入れられ「津波被災で配達が遅れ申し訳ありません」という詫び状まで添付されていたそうだ。
この連絡を聞いたときには涙がこぼれた。郵便局舎も津波にやられ、局員も被災したはずだ。信書を大切にする日本の郵便局なればこそと思う。
はがきを受け取った誰もが「このはがきは東日本大震災の証しであり、いつまでも大切にとっておきたい」と言ってくれている。
とてもいい話ではないでしょうか。民営化され、いろいろと苦情もないことはないと思われる日本郵便ですが、郵便局の面目躍如たるところです。言い訳をしない、プロのプロたるところで、職業意識やその使命に徹しているからでしょう。
透明な袋に入れられていたというのも凄いことです。このようなことを知らされると、人や企業などの価値というものは、本当に窮地に達し困っているときに真価が発揮されるのではないでしょうか。
朝の来ない夜はないと言います。また「禍福も糾える縄の如し」とも言われます。早く被災された方々にとって、本当の意味での春が訪れることを願っています。