会長の”三行日記”
2011.03.29
感慨無量 No.1979
昨日は工事で平塚に一日出張していたため、カキコミができませんでした。ご容赦下さい。さて今朝も引き続き、試運転の関係でこの平塚まで出掛けてきたのですが、午前中で終了したお陰で、帰路小田原のお客様のところにお寄りすることができました。
JT小田原工場です。ご承知のとおり、工場はこの3月いっぱいで営業を終了することになっており、今日が閉鎖する式典もあり、事実上、最終日となっていました。
いろいろとお世話になったお客様に、しっかりと永年のご愛顧のお礼を申し上げたかったからです。ただ、気楽に入っていけるいつもとは違って、この日はやはり異様な雰囲気を醸し出していました。
もちろん、何日か前からは工場の生産は稼動していないというものの、この日は式典もあることから女性の方は着物とか、袴をはいている方も目立ち、ご挨拶に伺ったお客様も、いつもは見ることのないス-ツ姿で正装されていたのです。
改めて今日でいよいよ終わりなんだなと実感しました。私にとっても永年お世話になった工場で、隅から隅まで知り尽くした場所です。
それだけに今日で終わりなんだなと思うと、万感胸に迫るものがありました。思い起こすと、自分が独立したのが昭和53年で28歳のとき、初めてお声を掛けていただきました。
それ以前も前の会社で出入りはしていましたが、自分でやり始めたときに最初にお声が掛かったのはこの小田原工場です。お付き合いをしていた電気工事屋さんの現場代理人さんから呼んで頂いたのです。
同業の他社の試運転トラブルを解決してくれないかとの依頼でした。3日3晩、ほとんど眠ることもなく、その復旧に努めたことを、33年経った今でも懐かしく思い出すことができます。
以来、少しずつ他社の好まないようなニッチの部分からお引き合いを頂き、それが段々と認められてきて今日までのお付き合いに繋がったのです。
それだけに、この工場に対する愛着は人一倍強いものがあるわけです。工場の老朽化とたばこに関するいろいろな事情から閉鎖に追い込まれたわけですが、何とも寂しい気持ちでいっぱいです。
1年以上前からこの事情は知っていましたが、こうしていざその時を迎えると、言い様がない複雑な胸に迫るものがあります。業者である私ですらこんな気持ちになるのですから、当事者であり、しかもこの機に退職される多くの方々の思いは、何ともたまらないものがあることでしょう。
ご挨拶を終え、正門を出て来たとき、それこそ数え切れないほど通り過ぎていた場所ながら、かつて一度も味わったことのない感慨無量な思いが込み上げてきたものです。改めて永年のご愛顧に心から感謝申し上げます。