会長の”三行日記”
2011.03.22
異様な空港への見送り No.1975
先週の18日、弊社で3年間、研修生及び実習生として無事務め上げてくれた、劉 慶くんが期間満了となり、ここで中国・ハルビンに一時帰国するため、飛び立つ成田空港まで車で送っていきました。
3年間はあっと言う間に過ぎ去ってしまったわけですが、彼とは永遠にお別れということではなく、帰国後、技術員として再度、在留資格認定証明の発行申請が許可されれば日本に呼び寄せることができるわけです。
それだけにちょっとした里帰りのようなものですから、特別感傷的にもならなかったのですが、ちょうど時が時ですから、成田空港は異様な雰囲気に包まれていたものです。
何しろ、いつもは空いていると思われる搭乗手続きの窓口が、異常に混んでいるのです。特に彼が向かう大連とか上海への便は、ほとんどが中国人と思われる人たちでごった返していました。
その列は優に100mを超えているのです。やはり福島原発の影響なのでしょうか、慌てて日本脱出を試みているように感じました。
もちろんその中には、住んでいた東北や北関東地域が今度の被害に遭遇し、仕事が無くなり、泣くに泣けぬ思いで離れなければいけない人たちもいることでしょう。
でもその数の多さから、必ずしもそういった人たちばかりではないものを感じたのです。新聞でもこうした在留外国人の退避の動きが激しくなったと伝えていましたが、まさにそれを間近に感じたのでした。
仕方がないことかもしれませんが、何となく寂しい思いがしたものです。一方では被災者のことを考え、自分に少しでもできることは何かと、私たち国民がいつになく、思いを一つに一致団結しているように思えるからです。
そこにやはり文化の違いを感じないわけにはいかなかったのです。そういったことではなく、たまたま帰国が同じ時期に重なってしまい、とんだトバッチリを受けた、我ら劉君もいい迷惑だったと思われます。
でも彼は力強く、再会を約束してくれました。早くて3ヶ月先か、また遅いと1年先になるかもしれない彼との再会のときに、少しでも被災地が元気に立ち上がっていることをただただ願うばかりです。