会長の”三行日記”

2011.03.23

災害から感じ入ったこと No.1976

未曾有の災害は本当に残念なことですが、今回のことで少なからぬ感動を覚えた話がいろいろと聞かれます。気がついたものだけでも少し紹介させて下さい。
 
まずユニクロの被災地に対して、即座の対応が見事なものです。支援物資としてヒ-トテック30万着(7億円相当)など送ると発表されました。
 
またそれだけではなく、会社として3億円、それに従業員から集めた1億円の義援金も出すと言われています。そしてこれとは別に柳井社長個人でも、10億円の義援金を送ると言われます。
 
何とも真似のできない素晴らしい支援です。さすが世界に誇るファ-ストリテイリングのユニクロです。社長個人でも10億円とは、いくら稼ぎがあるとはいえ、なかなかできそうでできないことです。こうした支援は決してその額ではありませんが、本当に恐れ入る尊いことです。
 
それから国民ひとり一人が少しでも傷みを分け合おうと、今回の計画停電に対しても不平不満があまり聞かれることなく、節電にしっかりと努めていることです。
 
これなどは日本人の古くから引き継がれている、困ったときはお互い様という、他国にはない素晴らしい文化ではないでしょうか。お陰で予定されている計画停電は回避されることが多くなっています。嬉しいことです。
 
また、NHKテレビはもちろんですが、民放でも地震直後、最初の頃はほとんどコマ-シャルなしで番組を放送し続けていました。スポンサ-の温かいご好意でしょうが、10日以上経った今でも、自社をただ売り込むようなCMは控え、公共性のあるものだけに自粛しています。
 
これも皆で何とか助け合おうとする、日本人の伝統的な思いやりとか優しさではないでしょうか。この国の、人の事などどうでもいいといった自分勝手な風潮が顕著だっただけに、見直した点です。
 
このような私が気がついたことの他に、新聞にもこう書かれていました。すすんで食べ物を分け合う被災者の姿に感じ入り、怒号もけんかも起きない避難所の静けさに心動かされている。

また日本では被災地であからさまな便乗値上げが横行していない。水や米が地震前と同じ価格で売られ、しかも人々は我慢強く、店の前に何時間でも列をなして待っている。

海外の人々は、この日本の
被災者たちの沈着で節度ある態度に賛嘆を惜しまない。苦境にあっても天を恨まず、運命に耐え、助け合う。日本の市民社会に対する世界の信頼は少しも揺らいでいない。
 
全くその通りではないでしょうか。災害を受けていない私が言ったら申し訳ないようなことですが、日本人として生まれてよかったと、つくづく感じ入っているしだいです。