会長の”三行日記”

2011.03.01

市民ランナ-の快挙 No.1965

アッパレ!市民ランナ-の快挙です。2日前の日曜日に行われた東京マラソンで、市民ランナ-として参加した川内優輝さんが日本人選手最高の3位に入りました。
 
しかもタイムが2時間8分37秒という、堂々たる成績です。この結果、早々に今年8月韓国で開催される世界選手権の代表にも内定を獲りつけました。
 
川内さんは現在、埼玉県職員として定時制高校の事務職員です。勤務時間は午後1時半から9時半までのフルタイムで、普通の職員と全く変わらず、残業もこなしていると言います。
 
毎日午前中に地元で2時間ほど走り、昼過ぎには出勤しているという生活です。また周囲からまじめを絵に書いた選手と言われているように、自分からマラソンの話をすることはほとんどないというくらい、ごく普通のどこにでもいるような方です。
 
もっとも、このランナ-としては学習院の大学時代、学童選抜に2回も選ばれ、箱根駅伝も走っているとのことです。従って4年のとき、公務員試験合格後、駅伝に力を入れる実業団からの誘いもないわけではなかったのですが、厳しい練習は自分に向いていないからと断わったそうです。
 
そして昨年のこの大会でも4位の成績を残しているくらいですから、実力がないわけではありません。ただ今年の1月に開かれた都道府県対抗駅伝では、埼玉代表として出場したものの、大ブレ-キとなったため、県の名誉挽回の意味で、ユニフォ-ムに埼玉の名前を刻み付けたとのことです。
 
私は指針の会に出ていてレ-スは観れなかったのですが、聞くとインタビュ-を受けられないほどの疲労困憊(ぱい)で医務室に担ぎ込まれたようです。それだけ自分の持っている実力を出し切ったのでしょう。アッパレなものです。
 
それにしても、こうなるとだらしないのが実業団選手です。恵まれた待遇ばかりが選手を強くするわけではないことが、示されたことになるわけです。
 
川内さんは合宿や遠征で年間70万円ほどを自費で賄っていると言います。それだけに3位の賞金200万円は本当に助かるというのが本音でしょう。
 
仕事が主で、スポ-ツが従の選手が勝つ、この意味をしっかりと考え直してもよいのではないでしょうか。やはりハングリ-さがある意味では、人を支えているように思えます。それと「好きこそものの上手なれ」好きで楽しくやることが、何よりも原点のような気がします。