会長の”三行日記”

2016.11.16

感謝 No.2922

 好きな歌手の一人に平原綾香さんがいます。圧倒的な歌唱力で多くのファンを持つ方ですが、愛をテ-マに製作したアルバム「LOVE」の中で、「ありがとう」という相手への感謝の気持ちを綴ったラブソング「STAR」は、まさに自分自身の体験からの楽曲との記事が載っていました。

ご存知の通り、デビュ-曲となった、ホルストの組曲「惑星」の第4曲「木星」を原曲にした、「Jupiter」は売上100万枚を突破するほどの大ヒットとなりました。その平原さんは自分が歌うのだから良い環境を用意されていて当然だという、慢心のような気持ちを持っていたと言います。

その慢心が感謝の気持ちに変わっていったということが次のように示されていました。「大学1年生の時、デビューが決まっていたのですが、その時の曲はラブソングの予定だったんです。

でも2年前にアメリカで同時多発テロが起き、世界中が混とんとしていて、少しでも癒される曲の方がいいんじゃないかと漠然と思っていたんです。そんなとき、たまたまクラシックの授業でホルストの組曲を聴いて涙が止まらなくなったんです。

直観的に『この曲に日本語の歌詞をつけて歌いたい』と思ったんです。そこから『Jupiter』との旅がはじまったんです」。リリース後の2004年、最大震度7を観測した新潟県中越地震が発生した際には、被災地の人々を勇気づける曲として「Jupiter」が数多くリクエストされ、そのつながりで翌年には平原自身が、復興を祈願する花火大会で「Jupiter」を披露した。

「新潟や長岡にお邪魔したとき、色々な人から『ありがとう』と言っていただいたんです。自分が発している歌や歌詞を聴いてくれている人がいるということを実感できましたし、こういう人たちのおかげで私自身、歌うことへの意志の強さや、責任感を強く持つことができたんです」。

祖父、父、姉が音楽家という家庭に育った平原にとって音楽は日常ではあったが、ファンからの「ありがとう」という言葉は、自身の歌手という自覚をさらに強いものにしていった。そんな平原だったが、過去には音楽をやめてしまおうと思ったこともあったという。

「デビューしてから3年ぐらいのときですかね。あるステージで音が聞こえなくて、どうしても歌いづらいことがあったんです。私はずっと『歌いにくい、歌いにくい』って思いながらステージに立っていたんです。

私の歌を聴きにたくさんのお客さんが来てくれているのに、そんな気持ちで歌っているなんて、歌手失格だな、もうやめてしまった方がいいって思ったんです。その時に母が『少しでも音が聞こえるなら歌える、大丈夫』って声をかけてくれて……。

私自身『音が聞こえて当たり前、いい環境を用意されて当然』という慢心があったんですね。色々な人のおかげで歌わせてもらえるのに、感謝の気持ちが足りないんだって痛感しました。歌えないのは人のせいじゃなくて、自分の実力がないから。そう思ったら、もっと頑張らなくてはと気持ちが晴れていったんです」

相手への感謝の気持ち「ありがとう」で自分を取り戻すことができたと言っています。そんな気持ちで作られた「STAR」という曲が映画『マイ・ベスト・フレンド』の日本版テーマソングになったのです。映画も相手への思いやりや感謝、愛を深く感じることができる感動作になっていて、映画のために書き下ろしたわけではないのですが、まさにピッタリマッチした作品となったのです。

やはり感謝することから出発できるのですね。とかく自分の力だけで成功できたと思いがちですが、実はそのほとんどが周囲の力によるものです。このことが分からなければ人間の更なる成長はないものです。

明日17日は八王子へ工事の現場調査、翌18日は静岡産業振興財団より案内をいただき、藤沢他に福祉・介護施設見学会で出掛けます。このためカキコミは両日、休ませて下さい。