会長の”三行日記”

2016.11.09

大統領選挙の仕組み No.2918

 いよいよ明日の開票が迫っているアメリカ大統領選挙ですが、少し分かりにくいその選挙の仕組みについて調べてみました。日本みたいに各市町村から選挙人投票用紙が配られるのではなく、アメリカではまず一般市民がその土地で有権者登録を行なわなければなりません。

つまり有権者登録を行なわなければ一般投票の選挙ができないというわけです。このへんがいろいろな民族の集まりであるアメリカらしいところでもあるのではないでしょうか。

大統領選挙はまず予備選挙や党員集会を経て、2大政党の全国党大会でそれぞれの候補者を選びます。これが今年では民主党・クリントン、共和党・トランプの両候補に当たるわけで、この二人が大統領候補として7~11月の期間、本選挙に挑むわけです。

この本選挙も予備選挙同様、間接選挙で一般有権者は大統領の候補者名で投票しますが、形式上は「選挙人」を選ぶことになります。選挙人とは最終的に選出する選挙人集会に参加する人のことで、各州の人口に応じて人数が決まっていて、全米で州からの535人と首都ワシントンDCの3人を併せた538人が相当します。

選挙人はあらかじめ、自分が指名する予定の候補を誓約しており、各州の大統領選挙の結果、最も多く得票した候補者が決まると、その候補者を指名予定の選挙人が選出されることになります。

そしてメ-ン州とネブラスカ州を除く全ての州で、1票でも多く得票した候補者がその州の全ての選挙人の枠を総取りできる「勝者総取り方式」という仕組みになっているのです。

こうして538人のうち270人以上の選挙人を獲得すれば大統領になれるわけです。ただ選挙人は約束通りの候補に投票する義務はなく、過去にも約束とは違う候補者に投票したケースもあったと言いますが、それによって選挙結果に影響が出たことはまだないそうです。

こうした選挙の仕組みから一般投票の票数の大小と、選挙結果が逆になるケ-スもあるわけで、2000年の大統領選ではブッシュ・テキサス州知事とゴア副大統領が競い、ブッシュ氏が271人選挙人を獲得しましたが、一般票ではゴア氏の方が約54万票上回っていたということもありました。

また一斉投票ではなく州ごとにこのように民意を諮るのは、アメリカの州が日本の都道府県とは全く違っていて、合衆国と呼ばれるように基本的に州が基本単位の国だからと言われています。

いずれにしても明日の午後には両候補の決着がつくことになります。どちらも日本にとっては最適候補とは言えませんが、どちらかと言えば過激な発言を繰り返すトランプではなく、クリントンの方が良いのではないでしょうか。