会長の”三行日記”

2016.11.01

朴大統領の機密疑惑 No.2916

 韓国の朴大統領がピンチです。大統領が親友という女性に機密資料を見せ、国政への意見を聞いていた疑惑が持ち上がり、韓国国内が騒然となっているのです。この女性は崔順実(チェスンシル)という人で、大統領が公私にわたって依存してきたと言われています。

大統領府内の別の秘書室とも呼ばれるもので、証言によると政権内部で作成され、朴氏に届けられる厚さ30センチにもなる「大統領報告資料」が大統領秘書室付属秘書官によって、ほぼ毎日彼女に届けられていたというのです。

そして崔氏が導き出した方針に基づき、作成された文書が後日、一字一句たがわず大統領府の公文書に変身すると言われています。その中には南北経済協力事業の開城工業団地の閉鎖問題や閣僚人事も扱われたと言います。

また彼女は朴氏の外遊日程も発表前には把握していて、外遊中の行事で着る服も準備していたというのです。最大手紙の朝鮮日報は「恥ずかしい」と題した社説を発表し、25日に行われた朴氏の謝罪もどうせ崔順実が指示した言葉だろうと、国民が冷やかに受け止めていると報じています。

この朴大統領と崔順実氏とは旧知の仲で、父親の朴チョンヒ大統領時代から崔順実氏の父の崔太敏氏と朴大統領は精神改造運動なるものを全国で展開したそうです。その五女に当たる人で運動の過程で知り合ったとのことです。

ただ崔順実氏は表舞台に出ないため、その人物像はほとんど知られていません。朴大統領の父親が79年に暗殺されてからも、朴大統領は崔親子を精神的に頼っていて深い関係を続けていたようです。

また崔順実氏の前夫は朴氏の国会議員時代に秘書室長を務めていて、2014年には国政に関与したという内部文書が報じられて、騒ぎになったと言われています。この時逮捕された行政官は「韓国の権力序列は崔順実氏が1位、前夫のチョン・ユンフェ氏が2位、朴大統領は3位に過ぎない」と述べています。

このように聞かされると朴大統領の立場は大変苦しいものがあるように思えます。今朝のニュ-スでは崔順実氏は事情聴取後、逮捕されたと伝えられていますが、彼女一人の責任ではないように思えます。

日韓は従軍慰安婦問題でも何とか合意にこぎ着けましたが、崔氏が口を挟んだとなると話が元に戻るようなややこしい問題にもなりかねません。いずれにせよ朴大統領への国民からの信頼は大きく薄らいでいて、政権の弱体化は免れることはできません。

明日2日は一日会社を離れるため、カキコミは休ませていただきます。