会長の”三行日記”

2016.10.25

無人運転自動車開発 No.2912

 完全無人運転の自動車開発が世界的に盛んになっています。先月アメリカ・フォ-ド社はハンドル、アクセル、ブレ-キのない完全無人自動車を量産するとの計画を発表しました。

それでは完全無人自動化とはどこまでのレベルを言うのでしょうか。自動化レベルを次の5つの段階に分けていると言われています。まずレベル0とは私たちが運転している、車のすべてをコントロ-ルしなければならない一般的なものです。

次にレベル1は一部の機能が自動化された自動車で、運転の一部を自動化機能に任せているもので衝突回避や自動ブレ-キが備わっているものを指します。またレベル2とは複合機能による自動化で、少なくとも2つのコントロ-ル機能を自動で提供しているものです。

ただドライバ-は運転をこれらの機能に任せることができるが、安全運転のサイドから自動車からの突然の通知にも反応することが求められています。そしてレベル3として限定的な自動運転化ということで、ドライバ-は特定の交通や状況下において安全上重要な機能を自動車にすべて任せることができるというものです。

つまりドライバ-が運転できることは必要とされるが、常に路上から目を離さないということは想定されず、ドライバ-が運転をコントロ-ルしない限り、単独で動作するよう作られているものです。

最後にレベル4ですが、 運転者なしで自動車がすべてのコントロールを握り、走行中の安全の責任を負い、ドライバーが運転する必要はないものを指しています。

ですから完全無人自動化とはこのレベル4のことを指しているのです。日本でも2020年の東京五輪の開催に合わせて東京で自動運転を実証する取り組みが進められています。

ただアメリカのように自動車社会を前提にした街と、日本での公共輸送を中心に人が歩ける街とではその導入のしやすさは大きく異なります。対面でのすれ違いの難しい道路や、人と車が混在する場所が日本では多すぎます。

ですから導入できたとしても、限られた一部の箇所に過ぎないのではないでしょうか。ただ記事によると、高速道路でのトラックの無人隊列走行という、交通量の少ない夜間の高速道路で、トラックを無人隊列走行させて大幅な燃費向上とドライバ-不足を解決する計画もあると言います。

これなどはまさに物流の革新につながることですが、構造的な面でまだまだ課題が少なくないのではないでしょうか。でも私などはよく思うことですが、こうした完全自動でなくても一部の機能を自動車に任せるだけでも不安が付きまといます。

機械を信じきれるかといった問題と、人間は体の一部で使わなくなる機能があると退化していくということがあるからです。たぶん自分たちが生きているうちにそういった世界がやってくるのでしょうが、あまりそういったものに慣れたくないものです。便利過ぎるのも考えものではないでしょうか。