会長の”三行日記”
2016.10.07
ビリからの優勝 No.2903
来春の選抜出場校を決める秋の県大会が終わりました。この大会で優勝したのは聖隷クリストファ-です。実はこの欄でも採り上げたのですが、今年の夏の大会の1回戦、我が母校・沼津東と開幕試合で当たり、4-6で聖隷クリストファ-が敗れ去っているのです。
ですから新聞にも載っていたとおり、出場112校のうち最も早く敗れ去った、夏のビリからの秋の頂点・優勝なのです。その監督も「ビリからのトップ。選手を信じて本気で狙えば、何が起こるか分からない」と語っています。
記事によると、先発5人が身長160センチ台と体も小さく力もなかったと言います。しかしどこよりも早く新チ-ムをスタ-トさせることができたわけで、基礎をみっちりと鍛え、持ち味を引き出すことに成功したと言われています。
この県大会の準決勝、決勝とも共に、左腕・河合投手の活躍で相手方を0点に抑える完封勝ちです。河合投手の最速は120キロ前後と言われますから、そんなに球の速い方ではありません。
それでも準決勝で強打の静岡高、決勝の藤枝明誠と抑えたわけですから、緩急をうまく使ったピッチングをしたのではないでしょうか。それと打たせて取る投球に徹したわけですから野手の守りも堅かったのでしょう。
この投球の精度が上がるにつれて、野手は配球に応じた打球を予測して守備位置をとったとのことです。主将で捕手を務める水谷選手は「攻めの守備ができるようになった」と答えています。まさにアッパレな勝利と言えるのではないでしょうか。
またこの短期間に大きく成長した裏には引退した3年生の協力があったと言います。相手投手の特徴を出しながら打撃投手を務めたり、ノックをしてくれたのです。こうした陰の力も初優勝に結びつくことになったのです。
このように考えてくると我が母校も決して望みがないわけではありません。むしろ夏の大会で2人の2年生投手が3試合も投げたわけですから、この秋に期待していたくらいです。
でも地区大会の東部の2回戦で敗れ、敗者復活の4回戦でも苦杯を喫し県大会への出場は叶いませんでした。しかしながら直前の夏の大会では2年生主体の我が方がこの優勝チ-ムに勝っているわけですから、そんなに大きな力の差があるようには思えません。
ですからもう少しこうした聖隷クリストファ-のように、緩急を使った投球とか相手の打撃を予想した守備位置取りなど、頭を使った工夫が必要ではないでしょうか。また無念の口惜しさをバネとして一層の練習に励むことも必要でしょう。
とにかく野球学校でなくても何とかやれるといった、戦術を見つけて欲しいものです。何度も言うようですが、秋は夏以上にチャンスが大きい大会です。捲土重来、後輩たちの一層の奮闘を願いたいものです。