会長の”三行日記”

2016.09.16

しゃっくり No.2894

 台風による前線の影響なのか、毎日はっきりしない天気が続いています。ひと頃の暑さはだいぶ凌げるようになってきましたが、南の方に発生している台風の被害が拡大しないことを祈っています。

さて今日はしゃっくりの話です。最近ではこのしゃっくり、私はあまり出ることはありませんが、うちの孫たちを見ているとよくしゃっくりが出ています。俗におむつが濡れているからとか言われていますが、果たしてどうなのでしょう。

しゃっくりがなかなか止まらず、呼吸が苦しくなったり話しづらくなったりして、いらいらした経験のある人も多いでしょう。どういう仕組みで起き、どうしたら止まるのか、藤田保健衛生大学准教授で医師の近藤司さんが次のように答えています。

しゃっくりは、肺を動かして呼吸させる横隔膜が強く収縮して息が早く吸い込まれるのと同時に、声帯が急に閉じられる現象だ。しゃっくりの役割は不明だが、生物が水中から陸上に上がり、えら呼吸から肺呼吸に切り替わる過程で、肺に水が入らないよう気管を塞ぐ仕組みの名残という説がある。

しゃっくりの際には「ひっく」という音が出る。「ひっ」は声帯が急に閉じようとする時の声帯の振動音で、「く」は声帯が閉じて息が止まった時の音だという。なぜ、横隔膜の収縮と声帯の閉鎖が同時に起こるのか。しゃっくりの指令センターである延髄のしゃっくり中枢に、刺激が与えられるからである。

炭酸飲料を飲む、慌てて食べる、激しく笑う、せきをする――などの刺激が、のどに分布する舌咽神経から、延髄のしゃっくり中枢へと伝わる。延髄は横隔神経を通じて横隔膜を収縮するよう、迷走神経を通じて声帯を閉じるよう、同時に指令を出す。

ただ、こうした刺激で常にしゃっくりが出るわけではない。しゃっくり中枢は普段、GABA(ギャバ)と呼ばれる神経伝達物質により、しゃっくりが出ないよう脳から抑制を受けているためだ。この抑制よりも刺激が強くなると、しゃっくりが起きる。一度起きるとすぐには止まりづらいのも特徴だ。

抑制する力を減らす例としては、飲酒や一部の薬の服用などがあげられる。また、子どもは大人に比べて発達が未熟で、GABAによる抑制が効かず、しゃっくりが起きやすいという。それではその止め方はどうでしょうか。

しゃっくりは自然に止まるので、気にせずに待てばよい。だが、会議や宴会であいさつをしたり、半日ほど続いて不自由を感じたりするような場合は、何らかの刺激を与えると、しゃっくりは止まりやすくなる。

そして薦める止め方は、人さし指を両耳に強く入れて30秒ほど押すか、舌を30秒ほど引っ張る方法だ。どちらも舌咽神経にしゃっくりを抑制する刺激が入ると考えられる。このほか、誰かに驚かしてもらうというよく知られる方法も有効という。ただし、いずれも絶対に止まるというわけではない。また、ぜんそくや心臓病、脳卒中などの人はこうした刺激は避けた方がよい。

しゃっくりが長引く場合は注意が必要だ。48時間以上続くと「慢性」、1か月以上だと「難治性」と分類される。慢性や難治性の場合、吐き気や 倦怠(けんたい)感、呼吸困難、不眠に悩まされることがある。

また、難治性の人が脳梗塞や悪性腫瘍などを患っている例もあるという。喫煙と飲酒が重なるなどの生活習慣が影響している場合があるので、見直してほしい。それでもしゃっくりが1か月以上続くなら、病院に相談をされる方がよい。

以上のように説明をされています。たかがしゃっくりですが、続くようですと要注意とのことです。それにしても、しゃっくりに限らず、こうした人間の体の神秘と言うか、よくできているものです。バランスや調和がとれなくなると、こうした修復作業を繰り返すということでしょう。