会長の”三行日記”
2016.09.05
ミッション No.2888
ミッションという言葉は天職とか使命、任務という意味を表わしています。その言葉をつくづく感じさせられたのが土曜日の講演会でした。静岡同友会でお呼びした、愛媛同友会の専務理事である鎌田さんによる学習会です。
ご本人も全て公表されていることからここではオ-プンにさせてもらいますが、前立腺ガンが体中に転移されていて、余命幾ばくもないお体をおして静岡まで講師として来て頂いたのです。
元々は5月末に佐賀で行われた九州・沖縄ブロック役員研修会の2日目、鎌田さんはじめ3名のパネラ-による条例についての学習会に、私はじめもう一人の副代表理事と静岡同友会事務局の皆さんが出席したことに端を発しているわけですが、鎌田さんのお話がとてもわかりやすく説得力のあるものでしたので、静岡に戻って協議した結果、実現する運びとなりました。
それでも鎌田さんの体調が大変なことから、こちらでの話し合いの中ではもし何かあったらどうするのかとか、家族に対して申し訳ないといった声まで出ていて、実現を危ぶむところも正直ありました。
それをはねのけて実現できたのは、私たちの望む声が強かったのはもちろんですが、何よりもご本人の静岡でどうしても伝えたいという強いお気持ちが優ったからではないかと思われます。事務局によると、交通費や謝礼など要らないからとも言って頂いたそうです。
これはまさにミッション以外の何物でもないでしょうか。その強い思いが表れるように、静岡での講演は2時間を優に超える熱い語りでした。以前にもお聞きしたとおり、条例は同友会運動の理論的実践で最高の到達点だと述べています。
また中小企業問題は教育問題とまで言い切り、条例制定を通して公平な職業観や勤労観を養っていく必要があるとしています。そして何よりも私たち企業が人を生かす経営を実践し、地域にいろいろな意味で還元できる憧れの存在となることが求められています。
つまり条例はこちらがいろいろな支援を求めるものではなく、条例を通じ私たち企業が同友会の総合的実践としてどのようにめざしていけばよいのか、また地域においてどういった存在でなければならないのかを問われているものです。
講演が終わったあとの鎌田さんは体力的にも本当に辛そうに見えました。それは普通の体でも2時間を超えて話し続けるのは大変なことですが、ご自身の体に鞭打たれて、その間全力投球でお話しされたからだと思われます。
改めて人間はこのように1つのミッションがあると、こんなにも強く生きられるものだと感じ入りました。中同協の事務局次長のお役まで委ねられている鎌田さんは、地域における中小企業のプロデュ-サ-として憧れの存在でもあるゆえ、まだまだミッションは少なくありません。
お体に十分気をつけて少しでも長くご活躍をされることを願っています。本当に感謝以外の言葉がありません。