会長の”三行日記”

2016.06.30

人を生かす経営 No.2861

 同友会の仲間からこんな素晴らしい会社があることを教えて頂きました。まさに同友会が常日頃言っている、人を生かす経営を実践している会社です。

人を生かす経営」とは、経営者自らの経営姿勢を確立し、経営指針を社内外に明示して社員教育を進め、若者の計画的採用を行い、障がい者の力を生かす雇用を進めることと定義されています。

またそれだけに限らず、業界の常識を破った素晴らしい取り組みをされている内容を、日経ビジネスで紹介しています。三井物産連結対象のソフト開発・販売会社でSCSKという会社です。

雑誌巻頭で同社取締役相談役の中井戸信英さんが語っている談話は次のような内容です。情報システム会社と言えば残業がつきもので、システムエンジニアは何日も徹夜しているように思えますが、この悪しき習慣を改めているのがこの会社です。

社長になって健康経営を目標に掲げ、残業を徹底的に減らしているのです。また残業代がなくなると生活が成り立たないのであれば、その分を会社が支払います。そして有給休暇もしっかりと取ってもらっているのです。

ある社員から奥様の体調がすぐれず、その世話と仕事との両立が難しいという相談を受けると、仕事を他の社員でカバ-する体制を整えろと指示を出し、カバ-する社員の残業が増えることのないよう配慮しています。

こうした取り組みの、家族を含めて健康第一ということは誰しも思うのでしょうが、ほとんどは掛け声だけで実際にやっているところは少ないままです。残業もせず、有給休暇をフルに取得しても業績を上げれるかどうか訝(いぶか)るからです。

でも中井戸氏は次のように語っています。「考えの中心に会社があるのはおかしいですよ。まず、一人ひとりが潤いのある人生を送るというのが大前提です。そのための必要コストは会社が払う。充実した生活の妨げになっている制度や慣習があれば取り除く。

そうすれば人は効率的に働くようになり、会社も潤うはずだ」。また「残業をせず、定時退社して家族と夕飯を一緒に食べてどこが悪いんですか。まとまって休暇が取得できる制度を会社が用意しているのに、それを利用することは間違ったことなのでしょうか」と投げ掛けています。

有給などできれば使って欲しくないとか、忙しいときは残業が日常茶飯事の弊社にとっては耳の痛い話です。とても比べようのないほど、人を生かす経営を実践しているこの会社の足元には及ばないものですが、このように実践し成果を挙げている企業があるだけに、目指すべき指標にしなければいけません。

やはり社員とその家族を最優先に大切にし、守っていかなければいけないのが経営者の責務なのですね。

明日7/1は早朝から埼玉の浦和と川口に、お引合いを頂いている仕事の現場調査に出掛けますので、カキコミは休ませていただきます。