会長の”三行日記”
2016.06.06
犬と私の10の約束 No.2846
犬や猫を飼っている人が増えています。そんな家庭でペットを飼っていて彼らとの生活を綴ったエッセイや小説の本も少なくないようです。その中で「犬と私の10の約束」という本が注目を集めています。
犬とともに生活しながら母との死別、ギタリストをめざす少年との恋、「仕事人間」である父との確執を通じて成長していくというストーリーなのですが、その中で物語をまとめるキ-ワ-ドとなっている、10の約束というものが何とも味わい深いと言われています。
10の約束とは娘が子犬を飼いたいと言った時に、病床の母が犬に代わって語ったものです。以下のとおりです。
(1)私と気長につきあってください。 (2)私を信じてください。それだけで私は幸せです。
(3)私にも心があることを忘れないでください。 (4)言うことをきかないときは理由があります。
(5)私にたくさん話しかけてください。人のことばは話せないけど、わかっています。 (6)私をたたかないで。本気になったら私のほうが強いことを忘れないで。
(7)私が年を取っても仲良くしてください。 (8)私は十年くらいしか生きられません。だからできるだけ私と一緒にいてください。
(9)あなたには学校もあるし友だちもいます。でも私にはあなたしかいません。 (10)私が死ぬとき、お願いです、そばにいてください。どうか覚えていてください、私がずっとあなたを愛していたことを。
この物語では「犬は人との出会いを選べない」という言葉の中に、そのまま「家族同士は出会いを選べない」と置き換えられると言っています。つまり家族とは運命的出会いでもあり、それを受け入れ互いにいたわり思いやりをもちながら、幸せを作り上げていく共同体だと指摘しています。
そして本当の家族や幸せについて物語の中から考えさせられます。それはそのまま仕事と家族ということにも繋がり、私たちが仕事を営んでいくために会社をつくり、そこに集って共に働くのは、狭くは社員みんなの幸せ、ひいては社員の家族全体の幸せを追求するためではないかと考えさせられます。
言い換えれば、社員のみなさんのご家族の幸せづくりに役立たない会社に、いかなる価値があるのか? 人の幸せを追求し、共に力を合わせていくのが、人間がつくる会社という場の役割だと教えています。
このようにたかがペットとの物語に思えるこの本から、家族それぞれの生き方、仕事などをペットの存在と関わりのなかで見事に織りなしていて学ぶことができます。困難にぶつかった時こそ、家族のことを思い起こし語り合いたいものです。一度必読の価値はありそうです。