会長の”三行日記”

2016.05.23

企業30年説 No.2838

 巷では企業30年説ということが謳われていることがあります。企業にも寿命があり、人間同様、時間的制約によって、必然的にその生命を終えるというもので、旧態依然としていて新陳代謝の乏しい会社は生き残れないと言われている説です。

そんな中、昨日は日頃お世話になっている客先の創立50周年記念祝賀会に参加させていただきました。一口に50年と言ってもそこまでの積み重ねには大変なご苦労があったものと推察されます。聞くと設立当時、世の中にない革新的な技術を生み出そうという強い思いを持っていた、7人の侍とも呼ばれていた人たちによる出発だったと言います。

当初のその思い通り、数々の優れた技術を次々に生み出している現在ですが、改めて確固たる経営理念と「一念岩をも通す」と呼ばれる強い思いの大切さを知らされました。また祝賀会にはいわゆるこの会社の客先企業の方々は一切呼ばれておらず、私たちのような協力企業と言えば聞こえはいいものですが、下請企業と社員及びOB社員だけが出席していました。

また受付で私たち下請企業に対して、来賓がよく胸につけている赤いリボンが配られていたのにはびっくりさせられたものです。その上、私たちからのご祝儀も受け取らず、全てご招待という形にも恐縮させられました。

これで思い出したのが4月の末に開かれた、もう1社のお客様の創立100周年祝賀会です。本社が東京にある関係で、帝国ホテルで華々しく開かれたわけですが、やはりこの会社も同様に客先は招待されておらず、私たち協力企業と社員、OBによる全てご招待という形でした。

このように永く続くことのできる企業には共通したところがあるのでしょうか。こんなことから「日本でいちばん大切にしたい会社」を書かれた坂本光司先生のことを思い出しました。先生は本当の企業経営は五人に対する使命と責任を果たすための活動のことと定義しています。

大切にしなければいけない五人の真っ先に挙げたのが社員とその家族です。そして二番目は社外社員として下請けや協力会社の社員とその家族を挙げています。つまり三番目に挙げる現在顧客と未来顧客という客先より優先して挙げているのです。

まさに私どもの有力なお客様2社はたまたま今年、それぞれ100周年、50周年を迎えられたのですが、共通しているのは坂本先生の優先して言っている、社員とその家族、及び社外社員を大切にして頂いているのです。

こんなところにも優れた業績と長続きしている秘訣があるのでしょうか。弊社も1974年創業ですから今年で42年が経ちます。両社に比べたらとても足元に及ばない脆弱な会社ですが、晴れて50年を迎える8年後には少しでも社員が胸を張れる会社を目指して頑張っていきたいと思っています。