会長の”三行日記”

2016.01.28

悲しいメッセ-ジ No.2802

 軽井沢で起こったバス事故の遺族からのメッセ-ジを読ませて頂きました。突然の変わり果てた我が子の姿に遭遇した遺族の悲しみは、とても言葉には言い表せないものと思われます。無念さとやるせなさが交錯している想いを以下のように語っています。

「安全はマスト項目。子どもたちが何が大切なのかを気づけるような声かけが年長者の役目」。長野県のバス事故で亡くなった阿部真理絵さん(22)の父親(56)が20日、通夜の後に取材に応じ、二度と同様の事故が起こらないように願う胸の内を語った。

早稲田大4年の真理絵さんは希望の会社への就職が決まっていた。父親は変わり果てた姿で戻った娘を普段使っていたベッドに寝かせると、「おはよう」「元気か」といつものように声をかけたという。

「本当に明るく自慢の娘だった。多くの友人や恩師の言葉を聞き、とても楽しく充実した22年間を過ごせたことがわかった。泣いている人が多くて、その涙を見てどうしてもまたやるせなさがこみ上げてくる」と静かな口調で答えた。

事故について、「憤りを禁じ得ないが、いまの日本が抱える偏った労働力不足や過度の利益追求、安全の軽視など社会問題で生じたひずみによって発生したように思えてなりません」。

さらに「今日も多くの若者がバスツアーに出かけているでしょう。ぜひ自分の身は自分で守るということを考えてください。安全はマスト項目で、費用削減はウォント項目」と娘と同世代の若者に向けて呼びかけた。

その上で「ツアーはどんな内容かとか、ちゃんとシートベルトを締めろよ、とかの声かけをすべきだったと悔いている。親、兄弟、おじいちゃん、おばあちゃんとして子どもたちが何が大切なのかを気づけるような声かけをしてほしい。おせっかいとかうざいとか言われるかもしれないが、年長者の役目だと思う」と語った。

事故が起きた1月15日を挙げ、「私たちにとっては命日となるが、報道や旅行業者の関係者においては、毎年なんらかの発信、行動をしていただければ、今回の犠牲者がみなさんの心の中に生き続け、安全に対する意識のたがが緩むことを防げる一助になるのでは」と要望した。

父親なりに努めて冷静に話をしていることと思われますが、本当の胸のうちは怒り狂っているのではないでしょうか。もし自分がその立場なら、おそらくこのように落ち着いて語ることは到底できないことと思います。

まず失った者への悲しみから始まり、愛しさが募り、そして憎しみが増していくのではないでしょうか。数年前からの規制緩和の影響でこうした業者は倍以上になり、まともな運転手が引手あまたとなったことから、その質がだいぶ低下していると言われます。

また繰り返される安売り合戦で、人の命を預かる、一番大切な安全が軽視されているみたいです。言語道断のことですが、二度とこうした悲劇を起こさないよう願いたいものです。