会長の”三行日記”

2016.01.18

廃棄カツ不正転売 No.2795

 今日は日本列島に延びた低気圧の前線の影響で、荒れ狂った天気となっています。こちらでは相変わらず、各地で見られる雪が降ることはありませんが、久しぶりのお湿りで乾燥していた周囲に少し潤いをもたらせてくれています。

さて週の初めながら明るくない話題を採り上げなければなりません。廃棄カツの不正転売の問題です。最初にこの問題が起こった時に感じたのは、正規に廃棄処分をしているのにも関わらず、とんだトバッチリで名前を出されてしまっているカレ-のココ壱番屋のことです。

同友会の支部の仲間にもこの経営者がいるだけに、気の毒に思ったからです。ココ壱番屋はまともな廃棄処分をしているのだから、むしろ企業として当たり前の正当な処理をしているのですが、廃棄処分を引き受けたその下の業者がとんでもない転売をしたことにより、名前を出されてしまったからです。

良いことで名前が出されれば構わないのですが、こうした問題で名前が挙がったりすると、人によっては一蓮托生のように誤解される恐れがあるからです。でも見方を変えれば変に使い回しすることなく、正規に廃棄処分をしようとしていたのだから、むしろ企業イメ-ジは良くなるというものなのですが...

それにしても悪いのは廃棄するはずの品物を転売した、ダイコ-という産業廃棄物処理業者です。そもそもこの問題が発覚したのは愛知県のス-パ-に並んでいた自社製品を、ココ壱番屋にパ-トで務める女性が見つけたからです。

本来、自社の厨房で調理するだけの食材がなぜと不審に思い、壱番屋本社に伝わったのです。本社にしても、自社が異物混入の疑いがあるとして廃棄処分したはずの品物が、廻りまわって売りに出されていてはさぞかし驚かれたことでしょう。

その数、何と2万7千枚が3県にまたがる34店舗の店頭で売られたり、商品の弁当の材料に使われたりしたと言います。またダイコ-から横流しを受けた業者は、壱番屋の段ボール箱に入れたままにしないようダイコーから言われ、箱を詰め替えて転売したと話しています。

そしてこうしたいろいろな業者の手を経ているうちに、ココ壱番屋の名前を出してもよいと変わっていき、ココイチのカツとして売り出されていたから発覚することになったのです。でも、もしその名前が隠されていたままだったら、人々が誰も気づかない、もっと恐ろしい結果になっていたかもしれません。

そう考えると食品って結構怖いものです。ですから私たち消費者はお互いの信頼関係に基づき、購入しているだけですから、それが今回の問題のようにその信頼が大きく覆されてしまえば、どうにも為す術がないというものです。

改めて企業のコンプライアンスを問われている問題なのですが、「災害は忘れた頃にやってくる」というわけではありませんが、一時期続いた食品偽装の問題を人々が忘れ掛けた頃、また新たな問題が発生するものです。健康に繋がる食のことだけに、私たちは十分注意をしなければいけない出来事です。