会長の”三行日記”

2015.09.08

U-18世界一ならず No.2758

 あれだけの快進撃を続けていたU-18全日本高校選抜が、決勝戦で宿敵・アメリカに敗れてしまいました。この試合に臨むまでは予選ラウンドから9戦全勝で、この日の対戦相手・アメリカにも勝っていたのですが、悲願の世界一はなりませんでした。

この試合はこれまでと違って地上波・テレビ朝日でも中継されましたので、多くの人たちが観戦したものと思われますが、序盤戦、アメリカの左腕投手・プラットの落差のある変化球を打ちあぐみ、正直言ってこれは日本危ないなという感じを受けたのです。

一方のアメリカも走者は出すものの、要所を仙台育英・佐藤投手に抑えられ、また初回などはセンタ-・オコエ選手の好プレ-もあり得点を挙げることはできませんでした。このオコエ選手の好捕は打球が飛ぶ前にスタ-トを切ったもので、この選手の潜在能力の高さを示したものです。

そんな展開で迎えた3回のアメリカの攻撃、1死2塁の場面、打者をピッチャ-ゴロに打ち取り、2塁ランナ-が飛び出したので一瞬これでピンチを逃れたなと思ったのも束の間、3塁に投げた送球がショ-トバウンドの悪送球になってしまい、ファ-ルグランドにボ-ルが転々とする間、相手に先制点を与えてしまったのです。

また続くライト前安打も打ち取ったような当たりでしたが、グランド状態が悪いことから寸前で追いつくことができず、2点目を与えてしまいました。この先制の2点は相手投手の出来が良かった為、日本チ-ムにとっては結構、重く感じられたものです。

皮肉なもので、今までの日本チ-ムの試合はこうしたミスがほとんどと言ってよいくらい無かったものですが、これが決勝戦と初めての世界一をめざしたプレッシャ-なのでしょうか。全く予想外の展開となってしまったのです。

それでも中盤、日本打線も1番の杉崎、2番の津田両選手のうまく食らいついた連打で何とか1点を返したものの、もう1本が出ませんでした。特に惜しかったのは5番平沢選手の1,2塁間を抜けると思った当たりです。1塁手がはじいたのですが、間一髪でアウトの判定でした。

やはりこうした決勝戦、エラ-が致命的になるもので、今までが完璧な布陣だっただけに惜しまれるものです。それからもう一つ気になったのは日本との審判の違いです。プラット投手の外角に逃げていく変化球もかなりストライクゾ-ンが広かったような気がします。

また投手のボ-クについても判断基準が違うようです。セットの際、左投手の右足が左足に交差すればこれは本塁に投げるものと思い、ランナ-は盗塁のスタ-トを切りたくなるものです。これにオコエ選手が引っ掛かってしまいました。もう一つセカンド牽制も1つありましたが日本では完全なボ-クです。

まあこのように少しアメリカ有利の判定もあったように思えますが、主審がキュ-バの方で、ここでアメリカとキュ-バが和解したことが影響しているからかなとは、こちらの思い過ごしかもしれません。

とにかく日本チ-ムは負けたというものの、本当によくやったと思います。近年にないチ-ムのまとまりではなかったでしょうか。お蔭でこの期間、十分楽しませていただきました。スタ-要素を持っている選手が多かった中、特に津田、勝俣両選手の打撃とオコエ、船曳両選手の守備に魅入ったものです。