会長の”三行日記”

2015.05.27

東大4年半ぶりの勝利 No.2711

東京六大学で 東大野球部が4年半ぶりに勝利を掴みました。これまでリ-グ史上最長の94連敗を喫していたのですが、23日の対法大戦で終止符を打ちました。敗れた法大の方はぼう然自失だったようですが、実に2010年秋の対早大戦以来の勝利です。

この試合、逆転に次ぐ逆転で結構ドラマチックな試合だったようですが、途中からはのびのびとやっていた東大に比べ、法大の方が硬くなってしまったのではないでしょうか。

このようにたった1勝を挙げただけで大騒ぎになる東大野球部の現状ですが、かつては注目を集めていた時代もあったようです。東京六大学創設期当時の東大には、大学野球界屈指の名投手・東武雄さんという方がいたそうです。

この人の活躍で他の5大学とも好試合を演じて、リーグに加盟できたといっても良いくらいだと言われています。東さんは東大野球部で唯一、ノーヒットノーランも記録した伝説の投手で、1925年秋のリーグでは、その快投により法大に4-1で勝利したそうです。

やはりそのときの相手が法大だったわけですが、東大はなんとリーグ初戦を白星で飾ったのです。またこの試合で東さんが放った本塁打が、記念すべき東京六大学リーグ初本塁打でもあるそうです。

そして1961年から64年にかけては、チ-ムの全8勝を一人でマ-クした新治伸治投手がいます。、東大野球部史上初めてプロ野球入りを果たした人です。この他にもやはりエースだった井手峻投手が、中日にドラフト指名されてプロ入りしています。

また怪物と呼ばれていた、あの江川投手が法大でデビュ-した年、開幕から3連勝していた彼に対して、初黒星をつけたのが東大野球部だったと言われています。それからNHK9時のニュ-スの元キャスタ-大越健介さんも、やはり東大のエ-スとして8勝を挙げて活躍している一人です。

このように調べてみると、東大野球部にも輝かしい伝統や歴史があるわけです。それだけに94連敗は屈辱以外の何物でもなく、周囲からも待ちこがれていた1勝ではないでしょうか。一昨年、東大の臨時コ-チに就任した元巨人の桑田真澄さんが以下のように述べています。

「よく野球は質より量と呼ばれていますが、大切なのはむしろ質で、効率よく中身の濃い練習をどう行ったかが重要です」と。就任して驚いたのはその練習時間の長かったことです。また今シ-ズンに向けて一番ポイントを置いたのが守りとのことです。

ですから、いかに守備でエラ-のないチ-ムを作り上げ、他の5大学にない、短時間で効率の良い練習ができるかではないでしょうか。それは県下強豪のひしめく高校野球界で、我が母校にも課せられていることのように思えます。