会長の”三行日記”
2015.05.20
百寿者幸福の極意 No.2708
100歳以上の高齢者(百寿者)は全国で5万9千人もいると伝えられています。この方々の記事を新聞で読ませていただきました。それによると、戦争や災害など波乱に満ちた1世紀を乗り越えてきた人の中には、趣味や仕事で軽やかに日々を送る「ス-パ-高齢者」も少なくないと言われています。
それらの方々の生き方から、長い老年期を心豊かに生きるヒントをもらえるかもしれません。こうした百寿者をめぐる研究も進んでいて、食事や生活習慣に加え、遺伝子など科学的な調査も本格化しているそうです。
その驚くべき若々しさに注目されがちですが、上手に老いを受け入れることで、幸福感を得ている百寿者も少なくないと、精神面での大切さも指摘しています。注目するのは百寿者の心のありようです。
寝たきりになっていても「幸せです」と答える人が珍しくないというのです。要は肉体的な衰えをどう受け入れるかということで、体の健康と心の健康は必ずしも関連しておらず、若さを保つことだけが幸せな老年期の条件ではないようだと指摘しています。
そして予防医学を推進し、平和教育にも力を入れている、あの103歳の現役医師・日野原重明先生は私たち人生の後輩に次のようにメッセ-ジを語ってくれました。
私は高齢者より「老人」という言葉の方が好きです。もともと「老」という字には敬意が込められている。特に75歳以上の人を「後期高齢者」という呼び方を私は受け入れられない。
むしろ75歳以上こそ「新しい老人だ」という意味で「新老人」と名前を付けて、2000年から「新老人運動」を進めてきました。皆さんに挑戦してほしいのは、30歳のときの体重を思い出して、肥満にならないように食生活を改善すること。
私は「腹7分目がちょうど良い」と提唱しています。そして適度に運動して上手に休養をとること。この3つが健康維持の柱です。現代は60~70代で現役を退いても、まだまだ社会的な活動をする余力がある人が多い。
例えば新しい仕事をする、趣味を持つ、ボランティアをする。社会と関わり合うことで「生きがい」が感じられて、心も体も健康でいられるのです。最近は年を取ると家族と離れて暮らす方が増えました。
でも豊かな時代に生まれた子どもや孫たちと暮らして過去の戦争について語り、どんなに惨めだったかを伝えてほしい。命の大切さを教え、平和をもたらすことも新老人の使命です。
私は数年前から俳句と書道を始めました。人は新しいことを始めると気持ちが活性化してバイタリティ-が湧いてくる。年を重ねても、勇気を出して新しい世界に一歩を踏み出してほしい。それがきっと、健康と生きがいにつながるでしょう。
そんなわけで、私も何かとは言いませんが、今年の初めからある事を始めました。楽しいのには違いありませんが、老いて学ぶことは幸福の極意に繋がることなのでしょうか。