会長の”三行日記”

2015.02.17

イチロ-さんの存在 No.2691

 いよいよ今日から前期高齢者の仲間入りです。よく60の手習いとか言うようですが、私は65の手習いを密かに始めました。それが何かとは敢えて話しませんが、長い目で見て2020年に開かれる東京五輪までに間に合えばよいと思っています。

さて昨日は今シ-ズンから広島カ-プに戻ってきた黒田投手の入団会見が行われました。戻るのなら今しかないというタイミングで古巣・広島に帰ってきたと言われていますが、球団にとっては大きな戦力になることは間違いないと思われ、今シ-ズンの広島カ-プの活躍を期待したいものです。

その黒田投手が今までいた大リ-グのヤンキ-ス時代を振り返り、同僚であり1級先輩にも当たるイチロ-選手の存在について、以下のような感謝の気持ちを表わし伝えられています。

二人は日本と米国、それぞれ別々の道を歩むことになったが、新天地が決まった際にはともに連絡を入れたという。2人は固い絆で結ばれている。

2年半、一緒にプレーさせてもらいましたが、一番印象に残っているのはイチローさんの強さでした。体もそうですけど、精神的な強さ。イチローさんがいたから僕も多少なりとも強くなれたのかなと。

よく本人が口にされていた「持って生まれたものだけでやっているのではない」という言葉も、近くにいたからこそ身に染みた。イチローさんなしでは、ヤンキースでローテーションを守ることはできなかったと思っています。

イチローさんは何があろうと試合に出続けた。体のことは僕らチームメートだから見える部分があって、「やばいんじゃないか」「大丈夫かな」と心配になった日もありましたけど、ユニホームを着て必ずグラウンドに立っていた。

そこにブレはない。特に2年目、3年目はレギュラー確約ではなく、悔しい思いもたくさんされたはずなのに、一切それを表に出さず淡々と準備を続けた。芯が強い、逆境に立たされても強い人だなと。

あそこまで成績を残してきた人にそんな姿勢を見せられると、やらざるを得ないというか、先発投手は中4日もらって、ローテーションを簡単に飛ばせないなという気持ちになりました。食事にも連れて行ってもらいましたけど、この期間は野球人生の財産です。

実は年末に広島に復帰すると決断した際、最初にイチローさんに連絡を入れました。びっくりされていて、僕もその時点では気持ちの面でまだもやもやした部分があったんですけど、「決めた以上は頑張れ」と背中を押してもらった。今回、マーリンズへと決断された時に、再び話す機会をいただけて、それは凄くうれしかった。

メジャー3000安打とか言いますけど、イチローさんの場合は数字ではないと思う。僕より1学年上で、また気持ちを奮い立たせて、新たな挑戦を、という姿勢が凄い。環境が変わってもやりきる、貫き通そうというのがイチローさんらしいなと感じています。 

やはり身近にいたからこそ、イチロ-選手の凄さに気づかれたのでしょう。黒田投手が言われるように、あれだけの数字や成績を残した人が少しも腐ることなく、ストイックにただ淡々と自分の仕事に徹していた姿勢に学ぶことが少なくありません。スポ-ツの大選手以上に人間としての凄さを感ずるものです。