会長の”三行日記”
2015.01.28
考えさせられる弁護士 No.2680
こんな弁護士がいることにビックリしました。宮崎で起こったオイルマッサ-ジ店での女性客に対しての強姦事件です。この店の経営者が被告として告訴されているのですが、被告側の弁護士が男が盗撮したビデオの処分を条件に被害者側に告訴取り下げを求めた問題です。
伝えるところによると、起訴前の昨年3月に被告側弁護士から「無罪の決定的証拠であるビデオを法廷で上映することになるが、被害者はそれでもいいと考えているのか」などとして、ビデオを処分する代わりに示談金なしで告訴を取り下げるよう求められたということです。
被害者の女性はそれを聞いて、まさかビデオまで撮られていることを全然知らなかったことから、その存在を知り人生が終わったような恐怖を覚えたと言っています。
このことはビデオを公表されたくなかったら、大人しく告訴を取り下げろという脅し以外の何物でもありません。そして強姦までしていながら示談金0円という提案は、とても言えた筋ではなくあきれた話です。
強姦しながらビデオまで撮影したという被告は全く論外のことでお話になりませんが、この弁護を預かった人間の倫理観や資質まで問われる話です。まさに依頼者の罪を軽減するためには手段も選ばないというやり方です。
この結果、被害者にとっては強姦された事件のみならず、予期せぬビデオの存在で2重、3重に苦しめられていることになるのです。でも被害者の女性は勇気を奮って法廷に立ったということです。
自分がレイプされている映像を見なければいけなかったということですので、さぞかし辛かったことでしょう。そして事後、下記のような手記の中でを次のようなことまで述べています。
法廷で証言し、弁護人から繰り返し「抵抗できたのではないか」という趣旨の尋問を受けなければならないというのは、被害女性にとってこれほど屈辱的なことはないと思いました。
証言が終われば、裁判が終われば、自分を完全に取り戻せるのではないかと思っていましたが、心はそんな簡単に戻るものではないと改めて実感しました。心もそうですが、事件を機に変わってしまった私の生活もなかなか元には戻りません。
それゆえに被告人のみならず、この弁護士もかなり罪深いと言えるのではないでしょうか。依頼人のためならどんな弁護でも引き受けるというやり方や、そうした弁護士の存在に怒りさえ覚えるものです。