会長の”三行日記”

2014.12.02

バスケット界の混乱 No.2654

 日本バスケットボ-ル界が大揺れに揺れています。何しろ国際バスケット協会(FIBA)から、全ての国際試合禁止という処分を言い渡されたからです。これにより処分が長引けば次のオリンピックである、リオデジャネイロ五輪予選に出られなくなってしまうのです。

その理由は2つある国内リ-グを統一できないことなど、統括団体の機能を果たしていないということからです。そもそも日本バスケット界では、2000年代中ごろからプロ化の動きが本格化してきたのですが、なかなかまとまらず、日本リ-グから独立した形で2005年にプロリ-グであるbjリ-グが設立されました。

しかし残った日本リ-グにしても、その後プロ化を見据え、2013年から13チ-ムのNBLという形で改組し、チ-ム名に地域を入れることを義務付けましたが、企業チ-ムも残ったためその統合が見送られたのです。

ですから現在は13のNBLと22チ-ムあるbjリ-グに分かれたままなのです。そして今年の4月、、FIBAが日本協会にトップリーグ統合などを要請し、10月末までに統合をしないと制裁を加えるという外圧が掛かっていたのです。

でも統合は結構、難しい問題があって、新リ-グ組織委員会が立ち上がり、チ-ム名から企業名を外すという取り決めをすると企業チ-ムが反対したのです。それは企業の中でチ-ムの置かれている状況にも大きな影響を及ぼしているのです。

近年このバスケットに限らず、野球などと同様に、いわゆるノンプロと言われる企業お抱えのチ-ムがどんどん無くなっています。厳しい経済状況の中、投資効果を考えて廃部にせざるを得ないと考えている企業が少なくないからです。

こうした背景の中、バスケットの企業チ-ムがその名称に拘るのも、現状ではユニホーム写真まで報道してくれる媒体は少なく、新聞でもチーム名とスコアが掲載されるだけで、名称から企業名が消えると広告効果は半減するという事情からなのです。

またチームの運営費も年3億円以上といわれ、企業名が消えると支援継続が不透明になるというのです。ですから私たちが考えているほど、企業チ-ムからプロへの転換は簡単ではないのです。

それから企業チ-ムとプロチ-ムでは仕事内容にも違いがあると言います。企業チ-ムはバスケットが会社の福利厚生の一環なら勝ちに徹すればよく、給料も観客数では決まりません。

一方プロチ-ムではその技術に加え、キャラクターが必要で見せて勝たないといけないということから、観客増はスポンサー獲得、年俸にも影響しているのです。つまり企業チ-ムは自分たちの競技者目線に立っていますが、プロチ-ムは観客目線で考えないといけないとされているのです。

こうした目線の違いも統合が進まない理由の1つなのです。でもこのままというわけにもいかないでしょう。何よりも大きな迷惑を被るのは昨年バンコクで開かれたアジア選手権で、全勝で43年ぶりの優勝を成し遂げた女子バスケットです。

この選手たちのためにも早々に解決を図らなければいけません。企業は地域と共に歩むと言われていることもあります。何とか工夫してそれぞれが生かされる方法を見つけて、来る五輪予選に備えてもらいたいものです。