会長の”三行日記”
2014.11.06
ちょっと良い話115 No.2641
新聞の投稿記事にこんなちょっと良い話を見つけましたので紹介します。人気観光地で心地よい対応という話です。
先日、九州へ旅行に出掛けた。人気の観光地、由布院の週末ということで、土産店が並ぶメインストリ-トは、とてもにぎわっていた。
幅は狭いが、週末でも歩行者専用道路にならず、車も通常走行であるが、歩行者が前を歩いていてもクラクションを鳴らさず、歩行者が気づいて避けてくれるまで、後方で徐行していた。タクシ-、旅館の送迎、地元の車もみなそうなのである。
宿泊先の旅館の方に聞いてみたところ、条例で決まっているわけでなく、観光で成り立っている地なので、お客さまに向かってむやみにクラクションを鳴らすことは、暗黙の了解で、しないようにしているとのこと。
また露店、個人店、駅、九州どこで買い物をしても、おつりを両手で丁寧に渡してもらえる。片手で「ハイ」というのはないのである。熊本のボランティアガイドは雨にぬれながらバスの停留所まで誘導してくれた。
一般の人に道を尋ねても、気持ち良く細かく丁寧。すべてにおいて気持ちの良い対応で、また訪れてみたいと思った。同じ日本人なのに、日本人に「おもてなし」の神髄を教えていただいた気がした。
こうした心地よい気遣いが本当に嬉しくなります。特に旅の途中では一層、その楽しさが増幅されるものです。これも日本人ならではのもので、観光地に住む人々が自分たちが誰によって活かされているのか、よく理解しているからのことだと思います。
よく旅の恥はかき捨てなどと言って、旅行者の方が好き勝手に振る舞いがちになる関係で、おもてなしをする側の立場の人はいろいろと大変だと思われます。それだけにちょっとした気遣いはやはり有難いものです。
クラクションで思い出したことです。かつて一度だけしか中国を訪れたことがありませんが、上海に着いてから車で移動したとき、クラクションのけたたましさにはびっくりさせられました。
道路は渋滞中だったのですが、その停まっている車や合流したりするところで、ひっきりなしにその音が鳴り止みませんでした。日本なら喧嘩になるようなところですが、その民族性の違いに驚いたものです。
とにかく、日本人が持ち合わせている、こうしたおもてなしの優しい心を大切にしたいものです。いつも反対側の立場になって考えれば、それはきっと容易なことではないでしょうか。