会長の”三行日記”
2014.09.03
山岳事故 No.2621
世の健康ブ-ムの後押しもあって、中高年の登山は人気を博しています。しかしながら登山者の増加に伴ない、山岳事故の件数は年々増加していて、調べによると山岳遭難者は、60歳以上が全体の49.8%と全体の半数を占め、40歳以上に広げると74.5%にまでなると言います。
ですから私たち中高年がその3/4を占めているわけで、山登りに十分すぎる準備と注意が必要となるわけです。山岳医療に詳しい医師は次のように語っています。
「山では気象条件や環境条件が平地と異なり、不注意が思わぬけがや病気を引き起こす。特に心臓や脳血管の異常による病気は多く、登山でのさまざまな負荷により急に発症し、いったん起こると大きなトラブルになるのが特徴」
山岳地と平地の大きな違いは酸素濃度です。それは高度が上がるにつれて低下し、標高が2300mを超えると一部の人は高山病の発症にも繋がります。私も北岳に登った際、八本歯のコル直下からの登りがきつかった影響もあると思われますが、上にあがった時は体調が変でした。
これが高山病ではなかったかと思っています。また気温も標高100mあたり0.6度低くなり、天候の変化も激しくなります。それからこうした環境変化とは別に、山登りではその大変さで体は大きなストレスを受けると言います。
山の過酷な条件でも、人間の体は結構適応できるものですが、どうしても年齢を重ねてくると運動能力や環境適応能力は弱まってきます。それゆえ普段から高血圧や糖尿病、脂質異常の生活習慣病を持つ人は、登山が持続的な体へのストレスであることから、心臓や脳血管の異常などを引き起こす場合も少なくないと言われているのです。
つまり、日頃からの健康管理と適度な運動が求められているわけです。ですから登山前日や当日の体調変化にも気を配り、少しでも異常があれば中止や変更する勇気も持たなければいけないとのことです。
そして登山中は水分補給が何よりも大切だと言われています。何時間も歩くと呼気から水分が抜け、発汗の水分蒸発と合わせて脱水状態になりやすいからです。この十分な水分補給をすることにより、様々な体調不良を防止し病気も防いでくれると言われているのです。
この水分補給は夢中で登っていると案外、おろそかになりやすいものです。私もどちらかと言うと高山病にかかりやすいタイプですが、水分補給をこまめに摂っていればもう少し防げるかもしれません。
こんなわけで魅力的な山登り、今は介護等のいろいろな事情があり、少し自重しなければいけない身ですが、また周囲の環境が許されれば上記のことなど頭に入れ、また挑戦してみたいと思っています。