会長の”三行日記”

2014.06.17

ル-ズヴェルト No.2582

 ル-ズヴェルトと言ってもアメリカの大統領の話ではありません。今流行っているテレビドラマ、 ル-ズヴェルトゲ-ムのことです。とは言っても私自身は来週最終回で終わるというのに、やっと前々回から観出したばかりなのです。

でもまだ2回しか観ていないのにその面白さに引き付けられました。舞台が青島製作所とイツワ電器という企業間開発競争や、それぞれの会社が所有している野球部のライバル競争が繰り広げられているからです。

先週の日曜日はイツワ電器に新社長として引き抜かられるはずの、江口洋介氏扮する青島製作所専務が、緊急株主総会で大どんでん返しを図り、愛する自社を守るため、画策していた両社の経営統合を白紙に戻してしまいます。

そして主人公であり青島製作所の細川社長役の唐沢寿明氏は、その意外な展開に涙まで見せる感動に胸を包まれ、株主に固く会社再建を誓うのでした。こうした単なる企業間の足の引っ張り合いの話ではなく、永年勤め守ってきた愛社精神が見直されていることで、私たち視聴者にも感動を呼ぶものです。

また一方、業績不振のリストラ策として廃部が決まった野球部では、それ以降の生活の心配からライバル・イツワ電器との試合があるというのに主力がグランドに足を向けません。一部の主力はライバル・イツワ電器からの勧誘話にも耳を傾ける始末です。

でも野球部の試合もよく観ていて、選手のことも知り尽くしている社長の、廃部と敗戦を本当に口惜しがる言葉に感銘を受けるのです。こうして次週の最終回に迎える、イツワ電器との最後の試合に繋がっていくわけです。

こうしたあらすじですので、野球好きも手伝いいっぺんにこのドラマに引き込まれたのです。でも大ヒットしたあのドラマ「半沢直樹」と比べると、原作者も制作スタッフも同じだというのに、いまいち視聴率が伸びていないようです。

それはどうやら主人公の立場の違いにあるようです。半沢直樹はご存知のように、中間管理職が権威や上司に向けて胸のすくような倍返しをしてくれます。でも ル-ズヴェルトゲ-ムの主人公はそれとは違う社長なのです。

1万人の社員がいる会社では社長は1人しかいません。残りの9999人は、「社長以外の人」で、上司がいる人たちです。ですから社長の気持ちなど分かりっこないし、共感できないと言われているのです。

このようにどちらも正義感が強く、面白いどんでん返しがあると言っても、社長が主役のドラマではどうやら高視聴率は望めないというのです。社長も因果な役職みたいです。先日のドラマの中に、こういった問い掛けがある場面がありました。

会社は誰のためにあるものなのか」敵役で出ていた株主の一人からの問い掛けだったのですが、「会社は会長や社長、社員のものではなく、我々会社を支えている株主のものだろう」と答えていました。

でも大企業ならいざ知らず、私たち中小企業では「会社は社員みんなのものである」ということでしょう。蛇足ながらドラマの中で野球部のエ-ス・沖原を演じているのが工藤阿須加さんと言って、あの西武、巨人、横浜と渡り歩いた200勝投手の工藤公康さんの息子さんです。

野球の経験がないというのに、素人ながらずいぶん良いピッチングフォ-ムで投げています。やはり生まれながらに良いものを持っているということでしょう。そうそう、先週活躍した女子プロゴルファ-・工藤遥加さんもお嬢さんですね。どちらもこれから大いに活躍し、偉大なる父親を超えて欲しいものです。