会長の”三行日記”
2014.04.09
うわさ作戦 No.2554
沼津市の若手商業者らで作っている研究会が、「うわさ作戦」と銘打った取り組みを始めたそうです。何やら怪しい響きにも聞こえますが、衰退が叫ばれている商店街に少しでも活気を取り戻そうとした取り組みです。
これは駅前に近い仲見世商店街に、この町にちなんだ、うわさ話の看板を作って通り掛かるお客の目を引こうとしているものです。3月下旬には同商店街の空き店舗のシャッタ-の前に、「サ〇エさんのお母さんのフ〇さんは沼津出身なんだって!」と書かれた、半分に割れたリンゴの看板が登場しました。
人気アニメのサザエさんにちなんだ話なのですが、道行く人は足を止め、「知らなかった」とか「本当なの?」といって興味津々の様子だったと言います。またこの看板をバックに遠くから写真撮影すると、人がリンゴを持ち上げているように写る仕掛けにもなっていたみたいです。
こうした作戦は商店街に空き店舗が増えている現状を逆手にとった演出だと言われ、思わず「ヘエ-」と声を漏らしてしまう看板を増やしていきたいとしているのです。
その他、「中央公園にあった三枚橋城には豊臣秀吉も来たことがあるらしい」とか、「旧国道1号の下には埋まったままの地下商店街があるらしい」といったうわさ話や都市伝説も、これから看板にしていく計画があるそうです。
まさに商店街の生き残りをかけた戦略とも言えるのではないでしょうか。かつてこの街は私の小さなころには、駅前よりもっと南にあるア-ケ-ド街と呼ばれるところが全盛でした。松菱というデパ-トがあった頃です。屋上には回転する飛行機の遊園地などがあり、子供連れの買い物客があこがれた場所でした。
それから今は無くなってしまった西武デパ-トの進出により、駅前に商店街の中心が移って行ったのです。そして近年はこの取り組みにも示されているとおり、北口の大型駐車場付の商業施設ができたことなどにより、人の流れが少しずつ変わり南口も空き店舗が増え始めてきたのです。
これは何も沼津市に限ってのことではないのですが、何年か先、国道1号線のバイパス沿いにも別の大型商業施設の進出が決まっています。それだけにもう何かアクションを起こさないと、人々から見捨てられてしまうことにもなりかねないのです。
私も月に何度も静岡に出掛けるたびに、この人の流れの違いを痛感しています。我が街はもう夜7時を過ぎるくらいから人がまばらの寂しい風景なのですが、さすがは県庁所在地、静岡は夜10時を過ぎても賑やかな人の流れが途絶えない街並みです。
これっていったい何の違いだろうかと、よく考えさせられるものですが、アクションを起こさず旧態依然のままではただ衰退するだけです。それだけに若者たちのこの取り組みに、少しでも実りのあるようエ-ルを送りたいと思います。
明日10日は私用に会社を休ませていただきますので、カキコミはお休みとさせて下さい。