会長の”三行日記”

2014.03.24

無観客試合 No.2547

 昨日、Jリ-グで初めての無観客試合が埼玉スタジアムで行われました。清水エスパレスと浦和レッズの試合だったのですが、結果は1-1の引き分けたものの、当事者である選手たちはさぞかし力が入らなかったのではないでしょうか。

これは過日の浦和サポ-タ-の掲げた「JAPANESE ONLY」という横断幕に対して、Jリ-グが人種差別と判断し、横断幕を試合終了時まで撤去しなかった浦和に対し、国内初となる無観客試合という重い制裁を課したからです。

一部にはその人種差別がチ-ムの韓国人選手を指すと伝えられていますが、今、サッカ-界でも世界中で起きている、この人種差別という大きな問題に、Jリ-グが毅然として取り組み結論を出したことなのです。

昨日の試合、伝えられたところによると、いつもは聞こえてくる音が全く聞こえないということが、想像以上の大きな違和感をもたらしたようです。もちろんサポ-タ-の歓声もなければ、得点者のアナウンスもありません。

そして選手紹介や選手入場のBGM、また選手交代やロスタイムのアナウンスまで一切ありません。そもそも観客が誰もいないわけだから、それも伝える必要がないというものです。

聞こえてくるのは選手やベンチからの指示する声、主審のホイッスル、そして上空を旋回するヘリコプタ-のプロペラ音ばかりだったと言います。これでは味気なさは極まりないものです。

それにしてもいいトバッチリを受けたのは清水エスパレス側です。サポ-タ-は直接応援できないため、ホ-ムグランドであるIAIスタジアム日本平に2300人ぐらいが集まり、パブリックビュ-イングの大型画面に声援を送っていたと言います。

でもこの人種差別という問題は、浦和1チ-ムに限らず、全てのチ-ムが持たなければいけない共通認識だけに、Jリ-グのとった処置は適切ではなかったかと思います。サポ-タ-あってのサッカ-をお互い十分認識できたのではないでしょうか。

昨日の試合後、清水のゴトビ監督が次のように述べています。「サッカーからこうした差別をなくしていかなければならない。人と人の違いがあるからこそ世界は美しい。エスパルスには9カ国の違った国籍の選手やスタッフがいる。カナダ、韓国、オランダ、スロベニア、ドイツとブラジルのスタッフ、私はどこから来たかのかもう分からない。

私は日本に来て3年と2カ月だが、悲惨な大地震も経験した。日本はあのとき、世界と強く団結していた。それが真の日本の姿だと思う。多くの海外の人々は日本と日本人を愛している。優しさと礼儀正しさ。それが日本の素顔だと思う

イランで生まれた監督自身がこの人種差別を今まで体験してきているだけに、極めて重い言葉として受けとめることができます。無観客試合を実施したことで、選手ばかりでなくサポ-タ-を含めたサッカ-界関係者全員が、いろいろと学ぶことが多かったと言えるのではないでしょうか。

明日25日は一日研修で会社を留守にするため、カキコミは休ませていただきます。