会長の”三行日記”
2014.03.17
おもてなし企業その2 No.2543
おもてなしを実践している会社の第2弾です。この会社は以前にもこの欄で紹介したことがあると思うのですが、日本中のおもてなし経営企業50選にも選ばれていることから、改めて紹介いたします。
でんかのヤマグチと言って、「まちの電気屋さん」として、商圏を東京都町田市・神奈川県相模原市とその周辺に絞って地域密着型の経営をしている企業です。何とその粗利率が40%に迫ると言いますから、こうした企業の中では注目に値するのではないでしょうか。
今から16~17年前、町田市には大手の家電量販店が次々と進出してきました。このためヤマグチの山口勉氏は眠れない日々を過ごしたと言います。そして考え抜いた末、1つの結論に達したのです。
それは高売りによる粗利率の増大という、常識を覆す方向転換だったのです。特に大切にしたことは「お客様にとことん喜んでもらうこと」です。中でも特徴的なことは「ヤマグチはすぐトンデ行きます」を合言葉に、お客様の困っていることに喜んで応えてあげることです。
例を挙げれば、お客さんの犬の散歩を引き受けたり、通りがかったとき、お客様に頼まれればタクシー代わりに車を使ってもらったりして、何でも屋さんとして無料のサービスを行っているのです。
従って「遠くの親戚より近くのヤマグチ」といった、顧客との密接な関係が築かれているのです。また毎週末や毎月、さまざまなイベントを開催し、お客との親密度を高めています。それは徹底した顧客の絞り込みにも繋がり、集中してアプローチができる体制を整えているとのことです。
その絞り込みは、5年以上取引のない顧客はリストから外したりしている、思い切ったものと言います。さらにその顧客管理台帳には「その家に、何年前に買ったどんな家電製品があり、家族構成はこうである」といった情報が丁寧に更新されており、どの家庭でどういった商品がいつ必要になるかを事前に把握できるそうです。
まさに地元という地域に密着した営業を行っているのです。また社員ごとの粗利率を把握してフィードバックすることで、社員のやる気を引き出しているとのことです。これではいかに大手が進出してこようとも強いわけですね。
とにかく地域に密着してお客にとことん喜んでもらう「便利な電気店」という一面と、管理台帳など緻密な経営管理を駆使した両輪により、非常に高いおもてなしと粗利率を実現しているのです。まさにニッチの分野で活躍している、中小企業のお手本とも言える企業ですね。