会長の”三行日記”

2014.02.19

山崎製パン No.2529

 またまた大雪の話題ですがあちこちで混乱が続く中、こんな美談がありました。ちょっと紹介させて下さい。

2月14日からの大雪の影響で通行止めが続く中央自動車道の談合坂SAで、ヤマザキパンのトラックが集荷のパンを立ち往生したドライバーらに無料で配布していたというお話しです。

中央自動車道は17日正午現在、高井戸(東京都)~諏訪(長野県)間で通行止めが続いており、復旧のめどは立っていません。関東甲信越、東北エリアでは家屋の倒壊や交通網の寸断などいまだに各地に混乱が続いています。

こうした中、大雪の影響で交通に影響が出ている山梨県。16日には立ち往生し動けなくなった運転手に対し、製パン大手・山崎製パンの運転手がトラックのパンを無料で提供。同運転手の行動を称賛する声が日本のネットに溢れています。

山崎製パンに確認すると、阪神大震災や東日本大震災などの教訓もあり、緊急時での食糧支援は会社の使命として行っているとのこと。ただ、特に独自判断で配布していいとした規定があるわけではないそうです。配布についても配送のドライバーからの連絡を受け会社として了承したものなんだとか。

比較的、雪がそんなに深くなかった私たちのところでも大混乱だったわけですから、110cmも積もった山梨では道路は全く動かなかった状態だったと思われます。それゆえにドライバ-の機転のきく判断だったのではないでしょうか。

何しろ全く身動きできないわけですから、届け先に行きたくても行けないわけです。従って鮮度も要求される食品だけにそのまま積んでいても、無用の長物として役に立たなくならないとも限りません。

それなら無駄にならず、一番有効的な所業ではなかったかと思います。この行為に対して以下のような賛辞があちこちから寄せられています。

「素晴らしい!あした早速ヤマザキパンを買おう!」「同社のような大企業にとって、トラック1台分のパンは大した損失ではない。宣伝効果を考えれば賢い判断だったと言える。人助けをした上に同社の知名度向上やイメージアップにつながった」などなど。

そしてもっと素晴らしいのは山崎製パン本社の広報部の対応です。もちろんトラック運転手一人の判断ではなく、会社の了解をもらった上での行為なのでしょうが、あちこちから寄せられる賞賛の声につられて、ただ浮かれたコメントを出していないことです。

非常時での対応を運転手が機転を利かしたのでしょう、とさりげなく触れた上に、ただ、「当社としては商品が届かず、ご迷惑をおかけしているお取引先のこともあります。この件についてコメントすることはありません」と話している対応についてです。

今か今かと届くのを首を長くしている取引先のことを考えたら、いくら賞賛の声が挙がっていても手離しで喜ぶわけにはいかないものでしょう。こうした取引先の気持ちを十分配慮しての対応なのでしょう。

パンを配った運転手の機転も素晴らしいが、それ以上に届けるべきところに届いていない、本来の使命を十分考えている広報部の対応も特筆すべきだと考えます。言い換えれば、こうした企業風土ゆえに運転手の美談も生まれるのではないでしょうか。

明日20日は一日会社を留守にするため、カキコミは休ませていただきます。