会長の”三行日記”
2013.12.16
恐怖の専制国家 No.2500
先週は急遽、1週間に亘る出張工事が発生したため、カキコミが全然できず失礼致しました。でも暇でやる仕事がないのに比べたら、忙しいのが何よりで有難いものです。やはり年末はこうでなくてはいけません。
さて、カキコミを中断している間に、お隣の北朝鮮ではすごいことが起きていました。亡くなった父親・金正日(キムジョンイル)の、実の妹の夫に当たる張成沢(チャンソンテク)氏が処刑されて亡くなったのです。義理とはいえ、金正恩(キムジョンウン)第1書記の叔父に当たるのですが、国家転覆罪のような罪を着せられ、裁判が終わるや否や死刑執行されたのです。
張氏の失脚が伝えられた後、まさか処刑はないだろうとの見方が大部分だったのですが、人々の予想が大きく外れてしまいました。まさに過去の世紀に見られるような恐怖政治そのものなのです。
張氏は自国の重要経済部門を任されていたとのことですが、「国の重要経済部門をすべて掌握し、内閣を無力化することで国の経済と人民生活を破局に追い込もうと画策」したなどとして、経済の停滞を全て張氏の責任として糾弾されたのです。
でも主要な政策は全て最高責任者の決裁を受けているはずですから、言いがかりのようなものなのでしょう。要は金正日から後見役として指名された張氏が、金正恩にとっては鬱陶しくなっていたのではないでしょうか。
また次第に張氏の持つ人心把握力や社交性に危機感を抱き始めたのでしょうか。今朝の伝えるニュ-スでも、金正恩の演説の途中、張氏が敬礼が遅いとか、背中をしっかりと伸ばしていないなど、また拍手の仕方に誠意がこもっていないとも指摘され、反逆分子のように扱われていました。
これなど、まだ金正恩の国家君主としての確立されていない自信のなさや、不安定要素を裏付けるものではないでしょうか。それでも今後、粛清といって張氏に近かった人への弾圧が続くものと思われます。その数、2万~3万とも言われているだけに恐ろしいものです。
また一方では張氏の処刑の裏には、その妻・金敬姫(キム・キョンヒ)の激しい嫉妬があったのではないかと言われています。張氏は女性関係の噂も絶えなかった人と言います。それだけに嫉妬に狂った妻が夫を貶めたという話もありえないことではありません。
とにかく恐ろしい国です。このようなことを通して、金正恩は絶対的君主としてその地位を否応なく国民に知らしめているのでしょうが、その効果はいかがなものでしょうか。貧富の差が激しく、不平不満が渦巻いている国民の間からは弾圧に負けない激しい抵抗が必然的に生まれるのではないでしょうか。