会長の”三行日記”
2013.12.04
引退後は指導者 No.2497
サッカ-横浜マリノスの中村俊輔選手が引退後は指導者で恩返しをしたいと述べていました。先日の勝てば優勝という、対アルビレックス新潟戦を少し眺めていましたが、引退どころかまだまだ司令塔として十分な働きを見せていました。
35歳になるという中村選手、私が常々不思議に思っているのが、どうしてこの選手が日本代表に選ばれないのかということです。フリ-キックの巧さなど、天下一品のものを備え、おそらく右に出る者がいないのではないでしょうか。
でもサッカ-のことなどよく解らない私ですから、いろいろなそれを妨げることがあるのでしょう。選手間の折り合いについても、以前あまり本田選手との相性がよくないと、聞いたことがあるように思います。
なかなか連携が中心のサッカ-だけに、私たちの想像以上にコンビネ-ションなど考えたら難しい問題があるのではないでしょうか。その中村選手がセカンドキャリア(第二の人生)として、いろいろな勉強をしながら引退後は指導者を目指しているというのです。
横浜マリノスのジュニアユ-スに所属していた中学時代、中村選手は身長が思うように伸びず、人知れず悩んだ時期があったそうです。その姿を見たコ-チから「気にすることはない。今はしっかり技術を身につければいい」とアドバイスを受けました。
この言葉を聞き、心の重しが取れて一気に視界が開けたと言います。そのときのコ-チが現在の横浜マリノスの樋口監督なのです。このようにいろいろな指導者に助けられた自身の経験から、「あの監督に会えて良かった」と思ってもらえるような指導者になりたいと言っています。
選手の才能を引き出し、伸ばす指導者となって、今度は自分が恩返しする番だと言っているのです。そのために指導者としての第一歩はブラジルからとのことです。貧富の差が激しいブラジルではプロになって、のし上がろうとする気風が特段強く、今一度サッカ-への価値観を見つめ直したいということからです。
しかしながら文化の違いや言葉の壁もあり、強国のブラジルで指導者になるのは容易なことではありません。でもまず見ることから始めたいと、その決意は固いようです。現在でも時間があれば海外リ-グやJ2の試合まで、テレビで観るように心掛けているそうです。
そして「あの選手、もう2m後ろにいたら、あのゴ-ルはなかったのに」とか「この監督は勝ち点が欲しいから5バックにしているんだな」というように、監督目線や違ったポジションからの目線、また時には観客目線からいろいろな想像を膨らませて眺めているみたいです。
まさに指導者になる訓練とも言えるのです。本人も「もしかしたら、監督の方が向いているかも」と考えることもあるみたいです。近年、日本サッカ-はなぜか外人の監督に頼っています。それだけに中村俊輔選手のように、ゲ-ムを支配できる選手がその戦術眼を更に磨いていけば楽しみな指導者になるのではないでしょうか。期待したいものです。