会長の”三行日記”
2013.12.02
賞金王決定 No.2495
今年のゴルフ界、男子と女子の賞金王が決定しました。女子は昨日の最終戦、最終ホ-ルまで判らないといった接戦で、横峯さくら選手の激しい追撃をかわした、森田理香子選手が初めての賞金王となりました。
ゆっくりとした美しいスイングは師匠の岡本綾子さん譲りのものですが、来年は名実共にNO.1と言われる選手を目指してもらいたいものです。一方、男子の方は松山英樹選手が昨日のカシオワ-ルドオ-プンも制し、文句なしの賞金王を決めました。
史上初のル-キ-での賞金王とのことですが、獲得賞金も2億円を超えるほどの大活躍でした。新聞の「ひと」という欄にも、6年前に当時所属していた明徳義塾高のゴルフ部員として、同じ会場でスコアボ-ドを持つボランティアを務め、プロの戦いを見守ったと載っていました。
いずれあの舞台でやってやると誓った15歳の少年が、それから6年後にはプロに転向し、その年に誰も為し得なかった賞金王になったのですから凄い話です。同記事にはさらにこんなことも付け加えていました。
高校時代から部の全体練習が終わってもクラブを振り続け、指導者に頼らずに自分のスイングを作り上げた。在学中の東北福祉大の寮には「才能は有限、努力は無限」と書かれた色紙を張っている。
昨日の試合を観ていても、左手親指付け根の痛みからか、何度もフィニッシュでクラブを離すシ-ンがありましたが、それでも東北福祉大の先輩でもある池田勇太選手に競り勝つしぶとさを見せていました。一緒に回った小田孔明選手が試合巧者だと舌を巻いていたほどです。
よく比較される石川遼くんとは対照的なところがあり、常に飛ばしを意識する遼君に対し、パットやアプロ-チなどの小技を重視しています。それがツア-でも平均ストロ-クなど6つの部門でトップを占める中、特にパ-キ-プ率が87.89%とダントツの数字にも表れています。
いわゆるボギ-をなかなか叩かない選手なのです。また全英オ-プンを現地で取材した羽川豊プロは、「ショットで世界と勝負できる選手がやっと出てきてくれた」と絶賛しています。なかなか外人選手のように、ロングアイアンが自由に扱えることのできない日本選手は、どちらかと言うと苦手にしているクラブです。
その中で181センチ、88キロという恵まれた体格の松山選手は、その身長と体幹の強さから、ロングアイアンでもスピンの利いた高い弾道でピンポイントでグリーンを狙えることからです。
こうした松山選手が来年から米ツア-に本格的に参戦するから本当に楽しみになってきました。木訥(ぼくとつ)としたインタビュ-での受け答えが記者泣かせだと言われていますが、言い方を変えれば泰然自若として、あまり小さなことに拘っていないからでしょう。
そういった意味でも、日本ゴルフ界にとって松山選手という、やっと世界に通用するオオモノ選手の登場で楽しみが増えたものです。しっかり身体のケアさえ心がけていけば、初の海外メジャ-制覇もそんなに遠い日のことではないものと思われます。