会長の”三行日記”
2013.11.26
特定秘密保護法案 No.2491
政府は特定秘密保護法案なるものの衆議院通過を急いでいます。何をそんなに急ぐことがあるのか、全く理解と判断に苦しむものですが、異常なまでにこの法案成立に奔走しているようです。
たぶん依頼されるところのアメリカの圧力が小さなものではないと思われますが、遅々として一向に進まない災害地復興や原発事故後の対策に比べても、その動きは異常とまで言えるものです。
私もこの特定秘密保護法案というものがどんなものなのか、皆目見当がつかないものですが、25日に福島で開かれた地方公聴会では参加した地元有識者の他、与党が推薦した陳述者まで全員が反対の意見を述べる、異例の公聴会だったと伝えています。
自民党の推薦で出席した、原発の被害者である福島県浪江町の馬場町長は、秘密の範囲が明確でないと以下のように述べています。福島第一原発事故の発生直後に、国が緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム(SPEEDI)の情報を速やかに公開していれば「低線量の被曝(ひばく)を避けることができた」と批判しています。
こうした情報を囲い込もうとする国への深い不信感をあらわにしているのです。法案はその対象を防衛、外交、スパイ活動などの特定有害活動の防止とテロ防止の4分野としていて、原発情報は特定秘密にはならないとしていますが、拡大解釈されればいくらでもその情報は寸断されます。
また今回の事故時での情報隠しされた体験が何よりもその不信感を高めています。この法案にあるとおり、テロ防止の必要をもちだせば情報は全て伏せられ、国民の知る権利という、基本的人権を侵害することにも繋がります。
今朝の朝日新聞1面にも俳優の菅原文太さんが述べられているとおり、そもそも、特定秘密保護なる言葉からして、えらく物騒なものに感じられます。そして文太さんは次のようにも述べています。
政権は憲法改正を96条から始めようとしたが、うまくいかなかった。この法案で危機感をあおり、改正につなげようとしているのでは、と考えてしまいます。憲法は、戦争に敗れた日本人にとって「精神的財産」と言っていい。改正には大反対です。
そしてやはり述べられているとおり、今はなんだかんだと言っても国内は平和です。そんな平和で不穏な動きがあるわけでもないのに、何の必要があって時代にそぐわない法案が出てきたのか、本当に考えさせられてしまいます。
とにかく国民の知る権利とか、報道の自由といった観点で十分、その説明責任が果されていないだけに政府の意図する、早急な法案成立には国民はノ-とはっきり意思表示すべきだと考えます。