会長の”三行日記”
2013.11.21
大勝軒 No.2489
ラ-メン屋さんの話です。大勝軒という名前をよく見掛けると思いますが、行列が40年も続いていると言われるこのお店の本質に迫っていた記事から少し採り上げてみました。
よく見掛ける大勝軒というのは、ここから分かれたチェ-ン店だと思われますが、そのル-ツである東池袋のラーメン店「大勝軒」の話です。ここの店主の山岸一雄さんはラ-メン界のカリスマとしてよく知られた方です。
その山岸さんが創業したのは昭和36年、以来40年以上も毎日、行列が途絶えず続いているとのことです。本質は店主である山岸さんがいつも持ち続けている、感謝の気持ちにあるとのことです。
まずラ-メンを作っている素材への感謝です。よく自分が気に入らない味だとス-プを捨ててしまう料理人を目にします。でも山岸さんは「ス-プの素材は元をたどれば肉、魚、野菜などそれぞれが生命であり、ス-プを捨てることは生命を軽んじている証拠である」と疑問を投げ掛けています。
素材に感謝の気持ちを持たなければ素材を活かせず、美味しいス-プを作れるはずがないと指摘しているのです。素材を扱う姿勢に問題があるのです。また山岸さんはこれもよく見掛ける、カウンタ-越しにお客にあれこれと注文をつける店主ではありません。
いつも黙々とラ-メンを作っているのですが、何も言わなくてもお客にはしっかりとその思いが伝わっているそうです。お客の振る舞いに現われているみたいで、ここのお店のお客は食べ終わった後、器を自分で下げているとのことです。
これは店側の要請ではなく、客の間で自然に生まれたル-ルだというのです。美味しいラ-メンを作ってくれた山岸さんへの感謝の証しとみてよいとのことです。きっと無意識に店主から感謝の気持ちを学んでいるのではないかと指摘しています。
そしてもう一つ、お客への感謝の気持ちを最重要視しているのです。それは自著にも書かれている次の言葉にも表れています。「精一杯努力して、美味しいものをつくって、お客さんに喜んでもらいたい。これこそが、どんな高級食材にもまさる最高のスパイスなのである」
飲食店主なら誰しもそう思い描いているかもしれませんが、それが一旦、マスコミなどに取り上げられて有名になると、薄れかけてしまうことが少なくありません。それが一過性の人気店で終わってしまうことになってしまうのです。
でも大勝軒がこれだけ人気を維持し続けるのは、常に感謝の気持ちを失わないからです。そして売上げの落ちた店が新メニュ-などに走ることを強く戒めています。初心に返らずに、つまり感謝の気持ちを持ち直さずに小手先に走ると、「心」を取り戻せず、やがてはお客からの支持を失っていくということからです。
このように、素材やお客への感謝の気持ちを持ち続けていることに秘訣があったようです。一口に長年にわたって持ち続けるといっても容易なことではありません。まさに「言うは易し、行いは難し」です。やはり継続は力なりですね。
明日22日から2日間、商工会議所主催で、私たちの片浜産業クラブも共催していることから、東大阪中小企業視察研修に出掛けます。このためカキコミは休ませて下さい。