会長の”三行日記”
2013.10.02
踏切での犠牲 No.2467
昨日は横浜で痛ましい踏切事故が起こってしまいました。JR横浜線中山で線路内にうずくまっていたお年寄を助けようとした40歳の女性が、列車にはねられ亡くなってしまったのです。
助けられた男性は鎖骨が折れるなどの重傷を負いましたが、幸い命に別状はないそうです。伝えるところによると、男性が下り線の線路上に横たわったまま遮断機が降りたため、父が運転する車の助手席に乗っていた女性が、ひかれちゃうと言って車から降りて踏切内に入ったと言います。
運転していた父親は「ダメだよ、やめろ」と制止しましたが、それを振り切って車を降りたそうです。そして腹ばいになっていた男性をしゃがみ込んで動かそうとした矢先に電車にはねられてしまったとのことです。
何とも痛ましい話です。女性は見てみぬ振りができなかったのでしょう。でも残念ながら電車が来るまでに時間がなさ過ぎたのではないかと思われます。痛ましい事故を耳にして、もし自分がその立場だったどうするか、ちょっと考えさせられました。
踏み切りに横たわっている人には無視はできません。しかし一瞬の判断でとても難しいと思いますが、電車が踏切に到達するまでに果たして救うことができるか、咄嗟の判断を求められることになります。
でもむざむざ、人が轢かれるのを誰も見たいわけではありません。ですからかなり難しい状況判断を要するのではないでしょうか。亡くなられた女性はそんなことより何より、助けたい一心で無我夢中だったのではないかと思われます。
またお年寄を助けようとした娘が、自分の目の前で電車に轢かれるのを直視しなければならなかった父親も、とても辛かったのではないでしょうか。「困っている人を放っておけない子だった。男性には長生きしてほしい」と語り、目頭を拭ったそうですが、何ともその心中を慮る、せつない話ではないでしょうか。
以前にもホ-ムから転落した人を助けようと、新大久保駅で韓国人留学生と日本人カメラマンの二人が犠牲になった事故がありました。 残念ながらこのときは転落した人も併せて3人が亡くなってしまったわけですが、今回の唯一の救いは父親が話されたとおり、線路内にいたお年寄りを救ったことです。
自分の命を犠牲にしてまで、お年寄を助け出したこの尊い女性に言葉がありません。心からそのご冥福をお祈りします。