会長の”三行日記”
2013.09.27
楽天の優勝 No.2464
楽天が悲願の優勝を飾りました。球団創立9年目のことだと言います。まずはともあれ、楽天の優勝に心からお祝いの言葉を捧げたいと思います。元々2004年の球界再編騒動に伴い、産まれた球団ですが、オリックス、近鉄が合併したことに伴い、その余りもののような選手での出発でした。
ただ一人、岩隈投手をトレードで獲得したものの、1年目は何と38勝97敗という最悪のスタートだったのです。それだけに創立時を知っている人には、夢のような優勝ではないでしょうか。何といってもこの弱小球団を支えてくれたのは、温かい東北のファンだったと思います。
1年目、あれだけ負け続けたチームに対しても、ファンはヤジることが一切なかったと言います。そして悲運の大震災がこの地を襲うことになりました。今でもしっかりと感動を覚えているのが、選手会長だった嶋選手の言葉です。
「東北の皆さん、絶対に乗り越えましょう。今、この時を。絶対に勝ち抜きましょう、この時を。今、この時を乗り越えた向こう側には強くなった自分と明るい未来が待っているはずです。絶対に見せましょう、東北の底力を!」
これは感動的なスピーチの一部に過ぎませんが、このときから今度は楽天の歩みが逆に被災者を励まし、勇気付ける使命を負うことになったのです。この年から星野監督を迎え、戦うプロの集団として選手の大幅な意識改革も図られたようです。
そしてご存知の通り、今シーズンはマーくんこと、田中将大投手の開幕から負けを知らない22連勝という、とてつもない活躍がありました。このマー君の負けなしだった裏にも、結構、好調な打線があったものと思います。ジョーンズ、そして4番のマギーといった助っ人も良く働いてくれていました。
でも星野監督自身が言われていたとおり、今シーズン優勝するとは誰もが信じられなかったことです。最弱と言われていた楽天の優勝は、未だに大きな苦難を強いられている東北の方々に、これで大きな励ましや勇気を与えることになったのではないでしょうか。
また星野監督が7度も宙に舞った胴上げには、それこそ選手全員が輪の中心に向かっていました。よく見る最近の他の胴上げには、中心から外れた外側の選手はマスコミを意識してか、輪のほうではなく外側を向きジャンプする姿を見受けます。それだけ監督、コーチ、選手全員が1つの方向に向いていたとも言えるのではないでしょうか。
そしてこれからも地域と一緒に歩み、共に戦う球団としてしっかりと位置づけられました。ある意味では10年も経たずして、よくここまで根付くことになったと、羨ましくなるような話でもあるわけです。新聞の見出しではありませんが、「9年目の悲願喜び100倍返し」、本当に誰もが嬉しくなった優勝のような気がします。