会長の”三行日記”

2013.08.09

高校野球 No.2445

 8日から始まった甲子園も白熱したゲ-ムが続いています。この時期の高校野球は日本の夏を代表する風物詩とも言えるもので、やはりなくてはならない存在です。

そんな日本の高校野球のことがアメリカで取り上げられたそうです。主に投手のことなのですが、その球数についてです。レポ-トで取り上げられたのは、今大会も出場し注目されている一人の、愛媛・済美高校の安楽智大投手です。

彼は今年春の選抜大会を5日間で4試合に先発し、1試合当たり平均135球投げました。さらに大会中9日間で計772球を投げた事実を紹介しながら、この日本とアメリカの違いを指摘しているのです。

米国の有力代理人からの「高校生投手の場合、95球以上投げさせてはいけないし、中3日以上の間隔を開けるべきだ」という意見や、「772球は平均のメジャー投手が6週間で投げる球数だ」というデータなどを出して、比較しながら分析しています。

これは米野球界から日本高校野球への問題提起とも言えるものですが、レポートの記者はこの事実を肯定も否定もせず、レポートを書き終えているとのことです。

日本の野球はこの先発投手ができれば完投し、チ-ムの勝利に貢献するといった、高校野球を原点としているように思えます。従って大学やプロ野球でもこのスタイルがそのまま踏襲され、球数に関係なく先発投手が試合を作るといったのが通例です。

一方、アメリカでは大リーグなど見てもはっきりしているように、いくら良い投球をしていてもノ-ヒットノ-ランなどの記録がかからない限り、制限の球数がくれば交代しています。それは今シ-ズン、好成績を挙げているダルビッシュ投手を見ていれば明らかなことです。

いくら三振の数が多く、無失点で抑えていても球数が多いためか、なかなか完投というところまでいかないのです。これがもし日本だったら、当然最後まで投げさせているようなケ-スであっても、変わることがないのです。

また投手寿命について不思議なデ-タも提示されています。高校時代に投げ過ぎた投手ほど、その寿命が短いというのです。高校野球史上最高投手とも呼ばれている松坂大輔投手は、プロに入ってもそれなりの活躍を見せ、大リ-グまで進んだのですが現在は肩の故障に悩んでいます。

一方、今をときめくヤンキ-スのエ-スとも言える黒田博樹投手は、高校時代エ-スではなかったと言います。また大リ-グから今年は日本に戻って、40歳過ぎてもまだ投げ続けている斎藤隆投手に至っては、元々ファ-ストとのことで、どちらもあまり投げる必要がなかったと言われているのです。

また今シ-ズン、レッドソックスの抑えで大活躍の上原浩治投手も同様で、高校時代控えの投手で大学に入ってから伸びた投手の一人です。このようなデ-タを突きつけられると、若くして投げ過ぎるのも見直さなければいけないかもしれません。

でも割り切ったアメリカと違い、日本の高校野球はまさしくドラマの連続で、心の底から揺さぶられるような感動や胸を打たれる場面を備えているものと言っても過言ではないでしょう。それだけにドラマの主人公たちが我を忘れて没頭する姿に、私たちが惹きつけられるものと思われます。

そうすると、選手寿命のことがあっても、この日本の高校野球はやはり何も変わらないのではないでしょうか。できれば長く野球をやれれば一番よいのでしょうが、中にはたとえその活躍が短くパッと散ってしまったにしても、決して本人に悔いは残らないはずです。

明日から19日までの期間は、一部のお盆休みと出張工事で会社を離れることになります。このためカキコミは休ませていただきますのでご了承下さい。