会長の”三行日記”

2013.07.12

半沢直樹 No.2428

 最近のテレビは正直言ってあまり観たいというものがありません。だと言って、家に早く帰れるときでも、晩酌を必ずたしなむ関係ですぐ眠くなり、本を読むわけでもありません。

そんなどちらかと言うと、とてもお見せできない、だらしない夜を過ごしているわけですが、先週の日曜日に観た日曜劇場の「半沢直樹」というドラマは久しぶりに面白いものでした。

一流銀行に勤める金融マンの物語なのですが、嫌な上司に媚びへつらうことなく、銀行の内外にいる敵や組織に敢然と立ち向かう姿は痛快そのものです。

またバブル期に入社した行員も多いことから、リ-マンショックを経た現在、出向したら二度と戻ってこれないリストラや転勤という話は、現実にも存在しているようで、とても他人事として観てはいられない銀行マンも多いのではないでしょうか。

主人公・半沢直樹に扮するのは堺雅人さんです。何といってもこの人の目が素晴らしく、正義感に固められた堅物というのではなく、コミカルな部分も秘めた役柄をうまく演じているように思えます。

またそういった意味では、女房役に扮する上戸彩さんが天然ながらも一生懸命、亭主の仕事をバックアップしている演技も見過ごせないところです。

初回のあらすじは、銀行内で優績最店舗を狙う支店長からの無理やりの命令から、5億円の融資を十分な審査をする時間もなく行った結果、融資先の倒産により全額焦げ付くことになり、自分ひとりに詰め腹を負わされるのです。

サラリ-マンの世界ではよくある話ではないかと思われますが、相手が上司でも少しも態度を変えることなく主張し、自分が全てを背負って問題解決に乗り出していくのです。そしてその決めゼリフは「やられたら倍返し!」というものです。

それというもの思春期を迎える前、零細企業を営む父親が銀行の融資を受けられず、倒産した上に自殺まで追い込まれた過去の歴史が起因しています。その憎むべき銀行にわざわざ入社しているのです。

これはあくまでもドラマの中でのことですが、現実にもこうした親の倒産など苦悩を経て育った人の方が根性があるせいか、社会人としても大きな活躍をされているように思えます。

でも現実にはなかなか、主人公のようにここまでできないことから、同じような立場の人は特に胸がすくでしょうね。とにかく初回の視聴率が20%に迫る勢いだったとのことです。これからちょっと日曜日の夜が楽しみになりました。