会長の”三行日記”

2013.05.24

見事な80歳の挑戦 No.2397

 昨日は出張が入ってしまい、カキコミができず申し訳ありませんでした。さて凄いニュ-スが飛び込んできました。80歳の冒険家・三浦雄一郎さんが世界最高峰である、8848mのエベレスト登頂に成功しました。

ご本人のエベレスト登頂は今回で3回目となるわけですが、もちろんこの80歳という年齢では史上最高齢とも言える、世界初となる快挙です。最終キャンプ地の8500m地点を出発したのが午前2時15分頃、満天の星空に囲まれた無風快晴の絶好のお天気だったそうです。

そして午前9時、地球上で最高点とも言える山頂征服に成功したのです。「頑張って頑張って頑張って、とうとう地球のてっぺんにたどり着きました。応援ありがとうございました」。このように語る三浦さんの言葉に示されるように、シェルパと呼ばれるヒマラヤ登山の案内人や、山岳パ-ティ・一行の力強い支援があったことは言うまでもありません。

また用意周到な事前での登山計画は、前回よりも途中でのベ-スキャンプを増やしたり、三浦さんの80歳という年齢を考えて、念には念を入れたものだったようです。それでも普通の山ではありません。氷の壁がそびえ立つような難関を克服して快挙ですから、やはり凄いとしか言いようがありません。

三浦さんは2003年70歳で、また2008年75歳で過去二度の エベレスト登頂に成功しているわけですが、その後、スキ-事故による骨盤骨折や持病の不整脈を克服しての、今回の挑戦だったのです。それだけに人知れない陰での訓練や日頃の努力があるわけですが、何と言っても支えていたのは冒険一家とも言える家族の素晴らしき絆です。

元モ-グル五輪選手だった次男の豪太さんは3回の登頂に全て同行しています。その2回目のときには重い高山病に掛かり、生死をさまよったとも言われています。またスピ-ド競技系スキー選手として活躍した長男の雄大さんも、父のエベレスト挑戦の度にシステムエンジニアの仕事を休職し、遠征隊の通信担当として支えています。

そして国際ヨットレ-スの運営には辣腕をふるっていた長女の恵美里さんも、父のエベレスト挑戦を聞くと、あっさりと仕事をやめ、スポンサ-の調達や広報担当に至るまで裏方の責任者として仕切っています。

それにしてもこれだけのスタッフを抱えての挑戦ですから、掛かる費用も半端ではないはずです。通常、エベレスト登山には一人700~1000万円も掛かると言われています。入山料をネパ-ル政府に払ったり、シェルパや食糧・燃料・テントなどの滞在・運搬費が全て含まれるからです。

ですから三浦さんの今回の挑戦は、一説には数億円とも言われていますから、スポンサ-にも恵まれているでしょうが、裏方の支えも結構、大変なはずです。このような壮大な夢を叶えるのには、やはりそれなりの少なくない費用も伴うわけです。そして何よりも、三浦さんの言葉にあるように、「諦めなければ夢が実現できる」ものです。