会長の”三行日記”

2013.05.13

仕分け違い No.2391

 こんなことも起こるのですね。毎日のように送っていただくメルマガに、こんな話が載っていました。実際にあった本当の話のようです。

ある学校で、生徒を実力別に分けるための試験が行われました。しかし、このとき手違いでテストの結果、◆成績の悪い生徒たち → 成績の良いクラス  ◆成績の良かった生徒達 → 成績の悪いクラスという振り分けをしてしまったのです。

つまり、まったく逆のクラス編成になってしまったわけですね。その結果...1年後には、その間違ったクラス編成どおりの成績になってしまったんです!つまり、それまで成績の悪かった子どもたちの成績の方が、成績の良かった子どもたちを上回ったということです。これは有名な「ピグマリオン効果」というお話です。

※ ピグマリオン効果

教師の期待によって学習者の成績が向上すること。「ピグマリオン」という名称は、ギリシャ神話を収録した古代ロ-マののオウィディウス「変身物語」に登場する。ピュグマリオン王の恋焦がれた女性の彫像が、その願いに応えたアプロディテ神の力で人間化したという伝説に由来する。

もしかしたら、あなたもお仕事をしていて、部下と接するときに同じことが起こっているかもしれませんね。■一体なぜ、こんなことに...それにしても、一体どうしてそんなことが起こったのでしょうか?

おそらく、こんな感じなのでしょう。成績の悪い子どもたちを受け持った先生は、「この子達は成績優秀な子どもたちです」と言われて受け持ちました。それで実際に授業が始まると、当然のことながら子どもたちの理解度は低い。

そこで、先生はあれ?と思いながらも、こう思ったはずです。「この子達は優秀なんだからできるはず」「ひょっとしたら、自分の教え方が悪かったのかも?」「今日はちょっとみんな調子が悪かったのかな?」

そこで、自分の指導方法の改善を試みたかもしれない。何より、「この子達はできるはず!」という確信をもって接していたはずです。そしてその結果、本当に子どもたちの成績が伸びました。

筆者は最も大切なのは、「イメ-ジ」だと指摘しています。自分の子どもや教えている子に対して、どう思っているのか?またどういうイメ-ジを持っているか?それが指導をするときに最も重要なポイントだと言っています。

また悪いイメ-ジばかり持って教えたり、指導したりしてもその成果は芳しくないと言います。そんなとき、ついつい指導者は「どうしてこの人は?...」と、相手のせいにしてしまう傾向があります。でも実際には教えられている方より、教える側に大きな責任があるものです。「ダメな生徒なんていない。ダメな教師がいるだけだ」何とも味わい深いような言葉です。