会長の”三行日記”
2013.04.22
元気な101歳 No.2383
季節外れの寒さというのでしょうか。ここ2~3日は冬にまた戻るのではないかと思わせられる天候です。東北の桜がやっと咲いたというのに、テレビからは雪に覆われ、哀れな姿が映し出されていました。3月が異常に暖かく桜の開花を早めたり、また今、各地で地震の群発が続いています。何か恐ろしいことがなければと祈っています。
さて、毎週末に掲載される101歳の日野原重明先生のコラムに目を通すのですが、先週分には先生は背骨を骨折されていて、それでも大した入院もすることなく、元気に復帰しているような話が載っていました。凄い話です。
それというのも、2月上旬、咳の後で背中に原因不明の激痛が走りました。検査の結果、椎骨(背骨)の骨折と分かり、自身の聖路加国際病院で「セメント注射」と呼ばれる、椎骨形成術なる療法を受けたと言われるのです。
この方法を使うと、極めて短い2~3日の静養で退院できるというのです。それは背部の左と右から椎骨めがけてPMMAという、アクリル系のセメント剤の液にバリウムの粉末を混ぜ、病巣の椎骨部に約4㏄注入するのです。
すると椎骨の形が正常に近くなり、痛みは直後または2日以内に消えると言います。日野原先生はこの手術を受けた結果、今まであった激痛もあっという間に消え、その後、従来どおり講演活動や原稿の執筆にも支障なく行えるようになったとのことです。
椎骨骨折の場合、普通は3ヶ月間寝たきりで鎮痛剤を飲み、痛みが落ち着くとやっと在宅保養になると言われています。それだけにこの「セメント注射」なる療法は凄いものです。日野原先生も人間ドックで年齢の割には骨密度が高いと言われ、自分は大丈夫だと過信していたのを反省しているそうです。
やはり鉄人・日野原先生でもこうした骨折を招くのです。それだけにお年寄がよく背中が痛いと言っているのは、こうした骨折の疑いがあるかもしれません。それにしても、こうした素晴らしい療法の情報がすぐ手の届くところにあるから羨ましい話です。
私どもの会長である、90歳になる父もここのところ、自宅にいてよく背中が痛い、いたいと嘆いています。おそらく、こうした骨折の疑いがあるかもしれませんが、日野原先生のようになかなか直ぐに診てもらうというわけにはいきません。
やはり素晴らしい情報をすぐに得られるかどうかで、対処の仕方に大きな違いが出てくるものです。とにかく、日野原先生も書かれていましたが、体の痛みは大きなアラームであり、どれだけ早く反応できるかがポイントです。