会長の”三行日記”

2013.04.09

「寅さん」共演者の素敵な言葉 No.2374

 私も大好きな映画でした「フ-テンの寅さん」ですが、新聞に共演者の以下にあげるような、味わい深い含蓄のある言葉などを集めていました。既に3代のおいちゃん役はじめ、亡くなってしまったの人たちばかりですが、おいちゃんたちの言葉から紹介します。

まず初代は森川信さんです。「あ-いやだ、いやだ。おれはもう横になるよ。おい、枕、さくらとってくれ」。飄々とした感じが花を添えていましたね。この人の「ばかだねー」という、寅さんへの言葉がとても懐かしく思い出せます。

次は松村達雄さんです。「金のねえやつがみんな不幸せだって言うならさ、この寅なんぞ、生まれてからずーと不幸せの連続じゃねえか」。そういう心は全く逆で、幸福は金では買えないと、その生き方をある意味で羨ましく思っていたのでしょうね。

それから3代目は下條正巳さんです。一番長くこのおいちゃん役を務めていた方ですが、何ともいえない味わい深さがあったものです。寅さんが女性に律儀なところをほめて「その手の間違いだけはしたことないんだ、あいつは」。生真面目で小言も多かったのですが、寅さんを信頼していたのでしょうね。

またタコ社長を演じた太宰久雄さんのこの言葉も有名です。「お前なんかに中小企業の経営の辛さがわかってたまるか」。映画を観ているときは全くそんなことを感じなかったのですが、今自分がその立場になってみると実感のある言葉です。

その他、共演者の素敵な言葉が続きます。お寺の御前様だった笠智衆さんは「困った。困った」と言いながら「もともと寅の人生そのものが夢みたいなもんですから」と、寅次郎をとても可愛がっていました。ゲストでも三船敏郎さんは獣医師役で出ていて「俺が行っちゃいかんと言うわけは...。俺がほれてるからだ。悪いか

また、さくらの亭主・博の父を演じた志村喬さんの言葉も、なかなか含蓄のある言葉です。「人間は絶対に一人じゃ生きていけない。逆らっちゃいかん。人間は人間の運命に逆らっちゃいかん。そこに早く気がつかないと不幸な一生を送ることになる。わかるね、寅次郎君

そして宇野重吉さん扮する画家の、かつての恋人役を演じた岡田嘉子さんに至っては、「私、このごろよく思うの。人生に後悔はつきものなんじゃないかしらって。ああすればよかったなあという後悔と、もうひとつは、どうしてあんなことしてしまったんだろうという後悔」という言葉に、ご自身の恋人とソ連に逃避行した波乱の人生が重なるだけに、ずいぶんと重い言葉になるものです。

とにかく、このように映画の中のセリフにすぎませんが、寅さんシリ-ズは人生の機微と味わい深い言葉にあふれていました。またそんな記事を読みながら、映画館で一人、大笑いをしていた自分を懐かしく思い出すことができたものです。素敵な映画でした。