会長の”三行日記”
2013.03.18
台湾戦の美談 No.2363
先日触れたWBCでの嬉しかった出来事なのですが、もっと知らなかった事情があることを昨夜のテレビ報道で知ることができました。
過去のWBCの試合の中でも名勝負と言えるのではないかと思える日本対台湾戦、ゲ-ム終了後に台湾選手が監督を含む全員マウンドのところに集まり、観客に向かい360度の方向で深々とお辞儀をしていた件です。
何も知らなかった私は、両チ-ムの息詰まる熱戦を最後まで温かく応援してくれたファンに、野球人として本当にやりがいがあったから、ただありがとうの意味で頭を下げていたのだと思っていました。
ところがもっと他に隠れていた事情があったのです。それはゲ-ム以前にさかのぼる話です。私たち日本人も知っているとおり、東日本大震災が起こった直後、真っ先に寄付など莫大な支援をしてくれたのが、この台湾の人々です。また救助の支援チ-ムもどこの国よりもいち早く駆けつけてくれました。
この忘れてはいけない台湾の人たちの善意に応えるために、日本の一部ファンがTwitter上で次のようなメッセ-ジを掲げたのです。
「2011年に発生した東日本大震災で、台湾が全世界の国と地域の中で最も多額の義援金などを贈ってくれたことに対して、『台湾でも大きな注目が集まる日本-台湾戦は、台湾の人びとに謝意を伝える絶好の機会』と指摘し、感謝の意を伝える横断幕を日本-台湾戦で掲げよう」
そしてFacebookでも「私たちの計画は台湾の試合が行われる日に、東京ドームで1000枚のポスターを配り、台湾を応援することです! 今回の活動の目的は、311の大地震から2年が経ち、もう一度台湾に対して、震災の際の日本への支援に感謝の意を表すためです」と綴られました。
こうした日本の動きがFacebookを通し、事前に台湾の国の人々にまで伝わり、また試合当日も球場のあちこちに掲げられた、感謝の意を示すポスタ-がテレビ中継の中で紹介されていたのです。
これでは両国が勝っても負けても殺伐としたものにはならず、友好ム-ドになるわけです。そして当然、台湾の選手、スタッフにまで、こうした日本人の義理堅い謝意は伝わっていたのです。
このように人から頂いた温かい善意には、いつまでも忘れず、感謝の気持ちを持ち続けたいものです。ある意味、これが昔からの日本人が持っている、他の国に誇れる美徳かもしれません。本当に嬉しく、こうありたいものです。