会長の”三行日記”

2013.03.15

考えさせられる事件 No.2362

広島の江田島で惨い殺傷事件が起こってしまいました。中国人技能実習生による、社長や社員を8人も殺傷したものですが、ちょっと考えさせられてしまいました。

もちろん、犯人の実習生による凶悪な犯行はとても許すべきものではありませんが、ここまで至ってしまった経緯についてです。情報によると、あまり人付き合いのよい方ではなかったと言いますが、実習生も勤務ぶりは真面目でよく働いていたとのことです。

ただ仕事の手が遅いことなどもあり、社長にはよく叱られていたと言い、同じ実習生仲間には「社長は人使いが荒い。妻子や母親の待つ中国に帰りたい」と、泣いてこぼしていたとも言われています。またこちらの言葉もあまり解らなかったそうです。

どうなんでしょうか。決して亡くなった社長を冒涜するものではなく、詳細な事情を全く知らない、門外漢の私が口を挟むことではないことかもしれませんが、ちょっと感じたことだけ述べさせていただきます。

この実習生を同じ人間として見ていたのでしょうか。どちらかと言えば、沖に出て養殖いかだのカキを採り、持ち帰る作業や、カキを殻から取り出すような仕事は、冬は寒くて辛い仕事のように思えます。

こうした仕事に対して、ただ使い捨てのように雇用していた点はないでしょうか。この会社が決してそういうことではありませんが、一部には研修生や実習生を大勢雇用し、劣悪なただ寝泊りができる部屋に押し込め、残業料も十分に支払うことなく、こき使っている水産加工会社があるとも聞きます。

やはり血の通っている同じ人間として、同友会がいつも言うところの人間尊重の経営や、社員は経営者のよきパ-トナ-として位置付けたいものです。山本五十六元帥の次の語録にもあるとおりです。

やってみせ 言って聞かせて させてみて ほめてやらねば 人は動かじ」「し合い、耳を傾け、承認し、任せてやらねば、人は育たず」「やっている、姿を感謝で見守って、信頼せねば、人は実らず

苦しいこともあるだろう 言い度いこともあるだろう 不満なこともあるだろう 腹の立つこともあるだろう 泣き度いこともあるだろう これらをじっとこらえてゆくのが 男の修行である

褒めてやることと、我慢をしながら修業を積むことの大切さを教えられたような気がします。