会長の”三行日記”

2012.11.20

「能作」社長の講演からその1 No.2315

日曜日から泊りがけで、同級生の仲間と小旅行に出掛け、昨日は会社を休ませていただいたため、カキコミはできませんでした。ご容赦下さい。
 
それにしても、お天気にも恵まれたせいか、暮れ行く秋を惜しむかのように、紅葉狩りやハイキングに出掛けた人の多さにはびっくりしました。夏が暑かったこともあり、今年の紅葉はどこもみな見事でしたね。
 
さて、先日行われた中小企業家同友会・全県経営フォ-ラムでお聴きした、記念講演について触れさせていただきます。講師は富山県高岡市で会社を営む、能作克治氏です。
 
株式会社 能作という、銅やすず製品を加工して製作・販売している会社なのですが、とても興味深く聴き入ってしまった講演の内容でした。私もこの会社のことを、講演をお聴きするまで全く知らなかったのですが、今では世界まで進出している、なかなかの業績に優れた会社のようです。
 
と言っても10年前まではただのモノづくりの下請けに過ぎず、このような素晴らしい展開など全く予想できないほどの、100%問屋相手の鋳物を作っていた会社だったとのことです。
 
鋳物とは溶かした金属を型にはめこんで作るものですが、能作さんは自ら婿さんとして飛び込んだこの会社に、17年間職人としても腕を磨くことから入り込みました。
 
そこで錫などの素材の持つ、以下に挙げるような利点に気がつき、周囲の協力も得ながら商品開発に励んでいくわけです。錫はさび難く、抗菌作用に優れています。そしてお酒などがこの容器で飲むとおいしいし、金属アレルギ-がありません。
 
また純度100%の錫は軟らかくて曲げやすいものです。この扱い難さを逆に捉えて、曲がる金属ならば、曲げて使う商品を開発すればいいと、食器の常識を覆す「曲がる器」を生み出したのです。
 
そして展示会などを経て、その良さが海外まで認められていくのです。今でも能作さんは朝6時に出社し、会社をしまうのは夜11時頃だと言われます。日中は電話やいろいろな用事に追われるからで、朝の数時間と夜のひと時が落ち着いて仕事ができるからです。
 
そのくらい、今の仕事が好きで楽しいからだと言われます。とにかく長い間3Kと言われ続けていた職場を、別の5K(改革・改良・改善・改修・改進)に変えていった歩みやポリシ-は、興味深いものでまた次回に触れさせていただきます。
 
この能作氏が講演でずっと言われ続けていた、「続けること、あきらめないこと」という言葉は、大きなインパクトを持つもので、必ず道は開けると私たちも信じたいものです。